| ミテンの本棚 > みやざき風土記 | ||||||
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 春先、稲作の諸作業が行われるのに先立って、豊作を祈念して奉納されるのが作祈とう（※）神楽である。2月から5月頃まで宮崎市やその周辺、日南市など県南部にかけて行われる。その中で演目が多く伝承している船引神楽を紹介する。船引神楽は、3月21日(春分の日)に清武町船引神社境内で、五穀豊穣と子孫繁栄を祈念して33番の神楽が舞われる。いつ頃から舞われていたか明確ではないが、江戸中期には定着してと伝えられる。その間、興隆と衰退が繰りかえされ、特に明治中期には途絶える状況となり、串間神社(串間市)に3人の少年を派遣しその復活を図った。その後にも危機がおとずれ大正15年に各講中から11歳から16歳の少年5人が選出され後継者として育成された。1 降神・宮入 (全員) 祝詞奏上。全員が舞庭で修祓、神楽用具を舞庭に供える。 2 1番舞 (2人) 神楽舞の始まり、神々の降臨を願う。 3 方謝舞 (2人) 五穀豊穣、家内安全を祈り四方の神々に感謝する。他の舞の基本となる舞。 4 四人舞 (4人) 方謝舞と芸態は同じであるが、「扇の手」「鈴の手」に打ち込みがある。 5 三笠舞 (6人) 田植えを振り付けた舞、田植え舞ともいう。 6 神体舞 (1人) 天の岩戸に隠れられた天照大神のお出ましを願う。  7 注連鬼神 (1人) 着面して舞う。魔除けの舞。8 素襖脱 (2人) 舞の途中で舞衣の素襖を脱ぐ。 9 柴鬼神 (1人) 次の舞、柴舞で用いる柴をこの鬼神が用意する。 10 柴舞 (2人) 盆に柴を入れ舞ながら撒く。浄めの舞。 11 剣舞 (2人) 剣を持って舞う。魔除けの舞。 12 岩通し (4人) 剣を持って舞う。悪魔祓いの舞。太鼓のリズムが他と異なる。 13 四人神師 (4人) 剣を持って舞う。芸態は方謝舞と同じ。 14 繰降し (4人) 神の後光に見立てた4本の縄をそれぞれが持ち、もつれない様に舞う。 15 蠅追い (1人) 上半身裸仰け反りになり、2本の刀を激しく正面で回す。 16 相撲舞 (2人) 二人が帯を持って組合い、相手を横回転、背回転、逆立ち回転させる。 17 ろんぎ (2人) 天の安川原で天照大神を導き出す論議をする神々の警護する舞。 18 弓舞 (2人) 農作物を荒らす鳥獣を弓矢で追い払う。 19 三本剣 (1人) 短刀をくわえ両手に刀を持って舞う。 20 三笠鬼神 (1人) 暴風雨を鎮めることを風神に頼むが、しないので怒った三笠鬼神が挑む。  21 三人脇入れ (3人) 芸態は11番の剣舞と同じ。それに脇役2人を加えて舞う。 22 輪舞 (1人) 径1m位の竹の輪を持ち舞う。輪を潜ったり跳んだりする。 23 地割 (2人) 領土配分をするための測量の舞。弓矢で長さを測り基準点に矢を立てる。 24 地割鬼神 (1人) 地割で紛糾、それをやり直し鎮めたのが鬼神である。注連鬼神と同じ。 25 薙刀舞 (1人) 草薙剣にあやかった薙刀で世を治め悪を懲らしめる舞。 26 戸開き鬼神 (1人) 手力男命が天の岩戸開く。 27 七鬼神 (1人＋) 素人の舞人(観客など)が勢子となり鬼神の真似をする。 28 めご舞 (1人) 「めご」と神主が問答する。国造り・人づくり、種の起源など。 29 箕取り舞 (1人) 女装した舞人が箕を持って舞う。豊穣を感謝する舞。  30 杵舞 (2人) 杵を持って舞いながら女装の舞人が持つ箕を搗く。増殖儀礼。31 祝詞 (全員) 神社役員や厄年の男女が舞庭に坐し御祓いを受ける。饌供を撒く。 32 蛇切り (4人) ワラで作った大蛇を4人の舞人が真剣で切る。 33 昇神・直会 (全員) 祝詞奏上。神と人の共食、直会をする。 ※とう･･･示偏に壽 |
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| 2009-03-18 更新 | ||||||
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