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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.80 商人から借金する大名
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 高鍋藩は文政2年(1819)11月17日小田清兵衛から2,000両、天保9年(1838)11月8日には和泉屋弥平次より1,000両を借りている。2,000両とは現在の2億6,000万円程。
 小田清兵衛は延岡藩の御用商人で木炭や椎茸など林産物の上方交易で栄え、物産問屋・回漕業・酒業などを経営した。名字帯刀を許された豪商で7代清兵衛は安政6年(1859)知行高440石、元締方頭取役格となっている。
 和泉屋弥平次は幕府領本庄(国富町)の商人。本庄は大淀川中流域に位置し、佐土原藩領・薩摩藩関外4か郷(綾・高岡・倉岡・穆佐)・高鍋藩分知領に囲まれ、水運の要衝でもあり商業地として栄えた。本庄には和泉屋や枡屋など多くの豪商が軒をならべた。なかでも和泉屋日高弥平次は穂北地方(西都市)・他の和紙を独占的に取扱い上方に回漕して巨利をえた。
 借金の利子について、高鍋藩が元禄5年(1692)3月7日、参勤交代の御用金として京都商人より2,000両、大坂商人より銀20貫文を借用したとき利息が書いてある。双方合わせて現在の金額に換算すると3億円以上を借りたのであるが、利息はなんと1割、現在では考えられない高利で商人は藩財政の足元を見たのであろうが、これでは商人からの借金が増えるばかりと思われる。

 返済については高鍋藩が安政元年(1854)12月、和泉屋から銭700貫文(2,300万円)を借りたと記載してある。返済は1年後の秋、三名(国富町)の米収穫で支払うとしている。その年の秋でなく1年後の収穫で払うとしてる。返済に追われ収穫の先食いをしている。
 前号で身分制度について、商人は最下に位置付けられていたことに触れたが、実質的には商人が武士階級を支配していたと言える。

※高鍋藩は天保14年(1843)9月、職人や日雇い人夫など賃金物価を公布した。その賃金を平成18年度の宮崎県最低賃金と照らし合わせて計算する1両が13万2千円となった。元禄期は分からないが江戸後期より価値が高くなると思われる。「宮崎、歴史こぼれ話(3)江戸後期1両は現在の金額で132,000円」を参照されたし。


参考資料『宮崎県史料第一巻 高鍋藩本藩実録』宮崎県立図書館
『宮崎県史料第四巻 高鍋藩続本藩実録(下)』宮崎県立図書館
2016-07-26 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
1942年宮崎市生まれ 宮崎大学学芸学部卒 県内小学校、宮崎県総合博物館、県文化課、県立図書館、宮崎市生目台西小学校校長等歴任、定年退職後きよたけ歴史館館長
現在、宮崎民俗学会副会長、清武町史執筆員、県伝統工芸審議会委員

【著書】
『鵜戸まいりの道』(私家版)
『歩く感じる江戸時代 飫肥街道』(鉱脈社)
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史 民俗編』
『北浦町史』
『日向市史』
『角川日本地名大辞典 宮崎県』(角川書店)
『郷土歴史大事典 宮崎県の地名』(平凡社)
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