ミテンの本棚 > 宮崎、歴史こぼれ話 | ||||||
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![]() 日向国ではどうであったか高鍋藩の記録をみると、天明2年(1782)害虫が発生している。藩は7月13日大筒(大砲)2門を二手に分け、茂広毛など4か所で発砲した。農民は田に入り鉦・太鼓を打ち、松明行列で虫送りを15日まで行い、さらに虫がついた稲を刈り捨てさせている。 稲につく害虫はイナゴやウンカであるが、宮崎ではサベ、サバエと呼ぶウンカの害が多かった。ウンカはカメムシの仲間でセミに似た形だが非常に小さく、筒状の口さきで稲の汁を吸いウイルスを媒介することもあるという。大群をなして移動することもあり稲の大害虫 (『広辞苑』) とある。 農薬の無い時代、稲にびっしりつく大きさ2mm程度のサベになす術(すべ)がなく、ヒステリックに大砲を撃ったり鉦や太鼓を打ったり、稲を引き抜いたりして被害をいくらかでも少なくしたいとの願いであった、と思われるが効果は全く無であったと考える。 |
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2015-04-21 更新 | ||||||
著者プロフィール | ||||||
前田 博仁(まえだ ひろひと) 1942年宮崎市生まれ 宮崎大学学芸学部卒 県内小学校、宮崎県総合博物館、県文化課、県立図書館、宮崎市生目台西小学校校長等歴任、定年退職後きよたけ歴史館館長 現在、宮崎県民俗学会副会長、清武町史執筆員、県伝統工芸審議会委員 ![]() 『鵜戸まいりの道』(私家版) 『歩く感じる江戸時代 飫肥街道』(鉱脈社) 『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 【共著】 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史 民俗編』 『北浦町史』 『日向市史』 『角川日本地名大辞典 宮崎県』(角川書店) 『郷土歴史大事典 宮崎県の地名』(平凡社) |
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