ミテンの本棚 > 体で感じる・心が育つ | ||||||
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![]() 現在、宮崎県には、このときの機銃掃射によって被害を受けた人々が今も暮らし、その傷跡は、体ばかりでなく心にも大きく残っています。これらの人々が、「私の中でまだ戦争は終わっていない。もう、戦争はぜったいにいや。」そう静かにつぶやく声は、戦争を知らない若者たちが束になって大声で叫ぶ「戦争反対」の声よりも、はるかに心に響きます。実際に経験をするということは、それほど大きな意味をもつことなのです。 ![]() 「命の尊さ」というテーマで児童文学の作品を書こうとする時、私がどんなに頑張っても、能力的なことはもちろんですが、戦争を経験したこれらの作家達の書くものには追いつくことは不可能であろう、私にそう思わせてしまう、経験とはそれほどすごいものなのです。 ![]() この人物の生涯を知れば知るほど、その波乱万丈の人生に想いを馳せざるを得ません。そして、その苦悩の人生を思うとき、私は思わず自分に問いかけるのです。「今、この時にしている努力は、今できる最大限の努力か?」と。 この半年ほど、私はある目標を達成するために努力をしてきましたが、どうしても、達成することができませんでした。しかし、数ヶ月前から、この人物について資料を集めていく中で、私は、自分自身がやったと思える努力について振り返ってみました。そして、その努力が、決して、私ができうる最大限の努力ではなかったことを反省しました。それからの二ヶ月間、私は、私にできると思われる最大限の努力を続け、ついに、その目標を達成することができました。 ![]() かつてスティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業式においてスピーチを行いました。その中の「点を繋げること」という話の中で述べたように、「経験」という点をいくつも作り、いつか、その点同士が結びついて線となっていく日を信じて努力を続けることが大切だということです(コラムNo.46「点と点をつなぐということ」2011/12/1)。さまざまな経験が人間の視野を広げ、可能性を広げていくのです。ただ勘違いをしてはならないのは、経験の数が多ければいいというものではないということです。つまり、短い時間にいくつもの場所を転々とすることが、本当の意味での「経験する」ということではないということです。ひとつの場所で春夏秋冬を経験し、そこで起こった楽しいことや幸せな想いはもちろんのこと、苦しみや悲しみも経験してこそ、初めてその場所での経験をした、ということになると思います。 ![]() ※今月の写真のテーマは、食欲の秋にちなんで、「美味しいものは美しい!」 |
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2015-10-01 更新 | ||||||
2007
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著者プロフィール | ||||||
原田 京子(はらだ きょうこ) 1956年宮崎県生まれ 大学院修士課程修了(教育心理学専攻) 【著書】 児童文学 『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店) 『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店) 『アイコはとびたつ』(共著・国土社) 『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート) エッセー 『晴れた日には』(共著・日本文学館) 小説 『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集) *********************** ※ブログのアドレス(※モバイルでは正しく表示されない場合がございます。 ) 「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/ 「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri |
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