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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.88 頂点を極めた人に共通する5つのこと
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 「経営の神様」として知られる稲盛和夫氏は、1984年に「世のため人のために役立つことをなすことが人間として最高の行為である」という理念のもと、「京都賞」を設立しました。その厳正かつ公正に行われる選考には、委員会の設置から受賞者決定までに3年もの歳月をかけ、「基礎科学」「先端技術」「思想芸術」の3部門において、これまでに「科学・文明の発展」「人類の精神的深化」という点で著しく貢献した人、96人と1組が選ばれてきました。
 2010年に「先端技術」部門で「京都賞」を受賞した山中伸弥氏がその2年後に「ノーベル医学・生理学賞」を受賞したように、「京都賞」は「日本版ノーベル賞」とも呼ばれ、これまでに京都賞を受賞した中の7人がノーベル賞を受賞しています。

 「京都賞」を受賞した人々は、それぞれがその従事している分野において頂点を極めた人々ですが、今月のコラムでは、2010年に「先端技術」部門で受賞者した山中伸弥氏、2011年に「思想・芸術」部門で受賞した坂東玉三郎氏、同じく2014年に「思想・芸術」部門で受賞した志村ふくみさんら3人が受賞後のインタビューにおいて述べた言葉、そして、稲盛和夫氏自身が述べた言葉に焦点をあて、これら4人の生き方にどんな共通点があるのか調べてみました。そして、
1.挫折を経験すること 
2.人との出会いを大切にすること 
3.目の前のことを一歩一歩クリアしていくこと 
4.自分の専門分野や、ひとつのことを続け、その道を極めると同時に、さまざまなことに興味を持つこと 
5.人の幸せを考えられる人になること、という5つの共通点が見られました。

 これら5つの項目を見ると、「ある程度の年齢に達した良識ある人なら、誰しも生きていく上で大切なこととして心に留めていることではないか?」私はそう考えるのですが、果たして、これらの4人の京都賞受賞者の述べた言葉には、普通の人では考えることのできない、なにか特別な意味が込められているのでしょうか?

 その答えはおそらく、稲盛和夫氏自身がこれらの京都賞受賞者たちの共通点について述べている以下の言葉の中に見い出すことができると思います。
「自分のためだけでなく自分以外の誰かのために、目先のためだけでなく来たるべき将来のために、美しい利他の心を持って、ただひたむきに己の信じる道を進んできた人々」
 そして、稲盛氏はこうも述べています。
「人は真剣に生きるだけではなく、ど真剣に生きなければならない」と。

 ニーチェは、「自分しか証人のいない試練」としてこんなことをいっています。
「自分を試練にかけよう。人知れず、自分しか証人のいない試練に。たとえば、誰の目のないところでも正直に生きる。たとえば、独りの場合でも行儀よくふるまう。たとえば、自分自身に対してさえ、一片の嘘もつかない。そして多くの試練に打ち勝ったとき、自分で自分を見直し、自分が気高い存在であることがわかったとき、人は本物の自尊心を持つことができる。このことは、強力な自信を与えてくれる。それが自分への褒美となるのだ」

 巷を見渡すと、ニーチェのいうような「自分しか証人のいない試練」に打ち勝ってきた人々が溢れています。人知れずひとつのことを続け、その道を極め、稲盛和夫氏が京都賞受賞者の共通点として述べているような「自分のためだけでなく自分以外の誰かのために、目先のためだけでなく来たるべき将来のために、美しい利他の心を持って、ただひたむきに己の信じる道を進んできた人々」と称される人々はたくさんいるのです。そんな人々のおかげで社会がきちんと成り立っているのです。それらの名も無き人々は、もしかしたら、人知れず死んでいくのかもしれません。でも、その生き様の名残は、さまざまな形でまわりにいる人々に、多かれ少なかれ影響を与え、その心の中に永遠にその存在が刻まれるのかもしれません。私自身、そんな人々への想いを、月日を重ねるにつれて、強く感じているからです。だからこそ、京都賞の受賞者たちも、そろって「私一人の力ではない。私を支えてくれるたくさんの人々のおかげです。」そう、感謝の言葉を述べているのでしょう。そして、「挫折を経験し、多くの人と出会い、さまざまなことに興味を持ち、人の幸せを考える」という点において欠かすことのできない「人との関わり」を大切にしているのです。京都賞受賞者は、名も無きたくさんの誇り高き人々の代表なのです。

 さて、「ど真剣に生きる」という稲盛和夫氏の言葉に、私は、最近のテレビドラマの影響もあってか、「吉田松陰」を思い浮かべます。夫が山口県出身の長州男児であり、さらには、吉田松陰が登場する児童文学の作品を執筆したということもあって、吉田松陰について私はいろいろなことを調べました。これまで、吉田松陰が登場するドラマはほとんど観たことがありませんでしたが、現在、大河ドラマでも取り上げられて、その人間像が明らかになってきました。

 ドラマに登場する、吉田松陰の母、滝さんを見ていると、本当にそのおおらかさと、その器の大きさに脱帽です。自分の思う道を突っ走り、投獄され、最後には処刑されるという、そんな吉田松陰という息子を持った母親にとって、その人生は、苦労と心配と不安の連続であったことと思います。にもかかわらず、愚痴ひとつこぼさず、いつも息子を信じ、愛してやまない母親としての姿をテレビドラマの中で見るたび、1年(長い人生から見たらたったの1年?)の地球放浪の旅に出た息子を見守るのがやっとの私は、自分の器の小ささを実感するばかりです。(コラムNo.78 「地球を放浪している息子からの手紙」2014/08/01)

 親は子どもに過剰な期待をしがちですが、私はその期待が空しいことを、息子が幼稚園に入園する前に悟りました。自分のことは自分で決め、自分の進路は自分で選ぶという、親の想像の範囲をはるかに超えて行動する息子を、親が思う型にはめることが不可能だと思い知ったからでした。
そんな息子も、ようやく1年間の地球放浪を終え、腰を落ち着ける準備を始めたようです。

これからどうなっていくのか想像もつきませんが、とにかく、「老若男女を問わずだれとでも親しくなれるコミュニケーション能力」「地球上のいたるところに友達がたくさんいること」「虫歯が1本も無く、両眼の視力が2.0の、どこででも生きていける丈夫な体」そんな息子の「人間力」を信じて、見守るしかありません。

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※『聖徳太子末裔伝』という作品には「吉田松陰」が登場します。
「小野妹子」「空海」「坂本竜馬」とともに少年に姿を変えて現代によみがえり、主人公の少年の友人となって活躍する物語です。
主人公の少年は息子がモデルであり、吉田松陰を始めとする4人のいにしえのヒーローたちは、息子の友人たちがモデルとなっていて、実名で登場します。
http://hirotoharada.com/
2015-06-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)

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