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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.23 “助さん”のモデル佐々介三郎が宮崎に来た(1)
前 田 博 仁 ( 宮崎県民俗学会副会長 )
 水戸藩士佐々介三郎が『大日本史』編纂の史料収集で、貞享2年(1685)7月に日向国を訪ねている。介三郎は江戸前期の儒学者、名は宗淳。介三郎は通称。介三郎はテレビドラマ「水戸黄門」の助さんのモデルとなった人物である。
 日向国には丸山雲平(儒学者)と来ており二人とも日記を残している。介三郎が『西国御用状留』、丸山雲平が『筑紫巡遊日録』で両者の日向国に関する部分を紹介する。

佐々介三郎の日記
一、二十四日ニ志布志ヲ立、同晩、伊東出雲守殿城下、日向飫肥へ着申候而、翌二十五日ニ談義所ヘ参申候、文書之類一紙も無御座候、即日、鵜戸山へ参申候、此山久しき寺之由ニ御座候へ共、旧記之類少も無御座候事、
一、晦日ニ黒貫寺へ参申候、此寺も其所ニ候えども文書之類少も無御座候事、右之通日向国中ニては文書一紙も見不申候、国ヲ一通ゆきめぐれ申たるまでニ御座候事(『西国御用状留』)
二十四日、鹿児島県の志布志を発って、その晩、伊東出雲守殿の城下日南の飫肥に着いた。翌二十五日談義所(願成就寺)に参ったが文書類は何も無かった。すぐに鵜戸山に参った。この寺は歴史ある寺のようだが古い記録は無かった。晦日に黒貫寺へ参った。この寺もその所にあるが文書の類は少しも無かった。右のとおり日向国では文書一紙も見ることができなかった。
 黒貫寺は西都市岩爪にある古刹、真言宗、創建は天慶9年(946)と伝える。

丸山雲平の日記
 佐々介三郎の史料調査には丸山雲平という儒学者が同行している。
「二十五日、城下より鵜戸山迄三里、河有舟渡シ
城下、談義所
 右真言新義故智積院より添状有
同(城下)、報恩寺 蠻海
鵜戸山六社、在石窟、縁起云地神五代、神武天皇を加へる六社也と
山号、鵜戸山、吾平山、金剛宝山、盧慈山、寺号、水底巌寺、仁王護国寺、勅号ト云
院号、観音院、別当名実真
 右、智積院より添状有
彡勝、吹居浦又作ル福毛井、●(*1)触峰又速日峯、鵜居石、吾平山陵、小戸橘之檍原
二十六日、在鵜戸山、役人荒武五兵衛、此日鵜戸山迄使者、石川仁左衛門
二十七日、鵜戸山より郷ノ原迄四里、右河四ツ内弐ツ舟渡シ
二十八日、郷原より山苅屋迄弐里半、従是案内代ル、安井弥右衛門、長友七左衛門
 右両人平生清武之新町ニ居住候由ニテ、被出迎候間領界迄被随身
  山苅屋より清武新町迄四里、清武郡代河崎権之介
  清武より中村迄二里、界目河有、大渡ト云又小戸渡とも云、舟渡シ川向より
  此川向より有馬左衛門佐殿領
  案内、原口十兵衛、橋本源衛門、後藤五左衛門、長友武兵衛
  中村より花ヶ崎迄三里半、花ヶ崎より都於郡迄三里半
  黒貫寺花ヶ崎より八丁、智積院より添状取候
  右談義所、鵜戸山ハ伊東殿領
  黒貫寺ハ島津式部殿領
  御在所佐土原、案内、池上権左衛門
  梨壱籠、酒壱壷使者、八頭理衛門、右断申不受納(『筑紫巡遊日録』)

 日向国で訪問した所は飫肥の願成就寺、鵜戸山仁王護国寺、都於郡の黒貫寺、三寺院とも真言宗で智積院の末寺であった。『大日本史』編纂の史料収集が目的であったが、どのような史料を求めていたのか、「日向国中ニテハ文書一紙モ見不申候」と記している。
 この後、介三郎一行は高城(木城町)、都農(都農町)、美々津(日向市)、門川(門川町)、延岡、曽木(北方町)、舟尾(日之影町)、河内(高千穂町)を通って肥後へ行っている。

*1:●は木偏「木」に「患」と書く。
2011-11-15 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
1942年宮崎市生まれ 宮崎大学学芸学部卒 県内小学校、宮崎県総合博物館、県文化課、県立図書館、宮崎市生目台西小学校校長等歴任、定年退職後きよたけ歴史館館長
現在、宮崎県民俗学会副会長、清武町史執筆員

【著書】
『鵜戸まいりの道』(私家版)
『歩く感じる江戸時代 飫肥街道』(鉱脈社)
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史 民俗編』
『北浦町史』
『日向市史』
『角川日本地名大辞典 宮崎県』(角川書店)
『郷土歴史大事典 宮崎県の地名』(平凡社)
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