ミテンの本棚 > 宮崎 イッパイ! | ||||||
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宮崎空港に到着した横浜在住の甥嫁は、友人の母が入所している施設へと順番待ちのタクシーに乗った。 行先を言った途端「あーいやだいやだ。今日はこれで二度目だ。なんて運が悪いのだろう。」大きな溜め息をついて車を急発進させた。 驚いた嫁は慌てて前のいすを捕まえてのけぞった。 乗車している間中、近距離乗車客への不満を言う。降ろして下さいとも怖くて言えず目的地へつき「お釣りはいりません」と言うはずだった言葉を飲み込み、金額どおりに支払ったという。「この客が他県の人だったら宮崎を大嫌いになるわね。わたし会社に投書しようかしら。折角知事が宮崎をピーアールしてくれて、わたしが住んでいる横浜などでは皆が宮崎大好きになっているのに。」普段優しい嫁が言う。 嫁の話を聞いた数日後谷口二郎先生のコラムが送ってきた。タイトルは《宮崎いい所一度はおいで》である。 谷口先生の文を借りると『宮崎を旅する人は四つの方法でやってくる。まず車。インターチェンジで降りる時、係員が無愛想な応対をしたらそれが宮崎の第一印象となる。ガソリンスタンドでキビキビとガソリンを入れてくれるだけで旅の期待が高まる。かんたんな地図など手渡し宮崎をゆっくり楽しんで下さいと声をかけただけで、もう宮崎フアンになるのは間違いない。列車の場合は必ずプラットホームに降りる。その時重たい荷物を持っている人、体の不自由な人、お年寄りに、さっと手を貸してくれる人がいたら、もうそれだけで宮崎は人情深い所と感激してくれるだろう。飛行機で来た時は係員が満面の微笑みを浮かべ、どうぞ宮崎をごゆっくりご覧下さいと言ったらそれだけで感激するに違いない。タクシーに乗る時係員が荷物をトランクに入れてくれるだけでリッチな気分になる。ホテルに着いたら、すぐ運転手が車から降り荷物を降ろし、それをベルボーイがホテルカウンターまで持っていってくれたらもう完璧だ。中略。いまや宮崎の観光は新婚旅行で一大ブームになった当時からすると見る影もない。観光、宿泊のスタイルも激変を遂げている。ただ一つだけ変わらぬものがあるとすればそれは温暖な気候と県民が暖かい心を持っていることである。宮崎を訪れる観光客を、それにたずさわる人ばかりでなく、子供から大人までが「おもてなしの心」を持ち、それを育むことがいずれまた多くの観光客の方に来ていただける方法ではないだろうか。そう「どんな客でも県民一人一人がエンターティナーになり、VIPのおもてなしをする」これが宮崎観光の生き残り作戦に他ならない。後略』とあった。 嫁の事件と重なる時期だっただけに谷口先生のコラムは深い教えとなり心にしみた。わたしにもできること。道を聞かれたら笑顔で分かりやすく教えよう。宮崎へようこそおいで下さいました。都井の岬も、百済の里も、高千穂狭も日南海岸や小京都飫肥城下町、他にも数え切れないぐらい素敵なところがあります。どうぞごゆっくりお回り下さい。と言いたい。 知事が必死に旗を振っても県民一人一人が動かなければ大きな力にはならない。谷口先生が言われるとおり、今が千載一遇の時なのだから。 |
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2007-08-03 更新 | ||||||
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