みやざきエコの会の取り組み
mitenプラスでは、これまでにもエコに関するレポートをいくつかお送りしていますが、今回は、以前ご紹介した「みやざきレジ袋検討会議」にも参加している「NPO法人みやざきエコの会」の取り組みを取材してきました!
エコの会とはどんな組織?どういう活動をしているのでしょうか?
みやざきエコの会の理事長である詠田トキ子さんにお話をうかがいました。
[◆みやざきエコの会とは?]
ミテン子:はじめに、みやざきエコの会の設立のきっかけを教えていただいてもよろしいですか?
詠田さん:「NPO法人みやざきエコの会」は平成20年4月に設立され、現在約60名が
参加しています。このNPO法人の前身として「みやざきエコ会議」という団体がありました。
「みやざきエコ会議」は、宮崎市のゴミ問題海外研修派遣事業によりドイツで研修を受けた第1期生によって平成15年8月に設立されたもので、その後第2期〜5期の海外研修参加者も順次加わり現在に至っています。
ミテン子:どのような活動をされているのですか?
詠田さん:まず、平成15年10月に生目の杜運動公園で行われた第19回フリーマーケットにエコ会議としてブースを出し、レジ袋削減の為の”レジ袋アンケート”をとりました。そこでは、ドイツの写真も展示して、そこから様々な活動が始まりました。その後も、”レジ袋アンケート”はずっととっているんですよ。
そして、会の参加人数が増えてきた頃に部制にしようという事になり、ごみ減量部会や広報部会など、5つの部会を作りました。それぞれにリーダーを決めて、分担して活動に取り組む形にしました。
エコの会の活動としては委託事業というものが多く、宮崎市の環境フォーラムや環境フェアの開催等を行って来ました。また市の事業に対してのお手伝いとして「こどもごみ会議」にも参加しています。
ミテン子:一般の方向けの活動もそうですが、子ども達に対する啓発活動は大切なことですね。
詠田さん:そうですね。こどもごみ会議は、市内の各学校の代表者が集まってごみに関する意見を発表したり、牛乳パックやペットボトルで工作をしたりしてごみについて考えるよい機会になっています。参加した子ども達の発表を聞くと質の高さと内容の濃さに感心しますよ。
ミテン子:彼らはこれからを担う世代ですからね。
もしかすると私よりも子ども達の方がエコに対する意識は高かったりするのかも知れませんね。
●環境フェアでの活動の様子。(左:廃食用油キャンドル作り/右:チラシで折る実用品)
[◆レジ袋について]
ミテン子:さて、みやざきエコの会は、みやざきレジ袋検討会議にも参加されていますが、今後レジ袋についての取り組みはどうなっていくべきだと思われますか?
詠田さん:これまでのレジ袋のアンケート結果も踏まえてなんですが、個人的には、「レジ袋は有料化すべきでは?」と思っています。
これまでの活動を通して、人の意識を変えることの難しさというのを痛感しています。だからもう、ある程度規制してレジ袋の削減を進めていくべきではないかと感じています。
今、レジ袋は、1人につき年間300枚くらい使っています。その為に使われる石油(※)は、1年間で6リットルもあるんですよ。(※レジ袋の原料、作るためのエネルギー、輸送や処理にかかる石油を全て含めて。)
●写真は日本人1人が1年に使うレジ袋および容器別金額の展示。宮崎市環境フェアにて。
ミテン子:一人当たり、そんなに使っているんですね!!
詠田さん:「レジ袋をもらっちゃいかん!」って事ではなくて、買い物に行く5回のうち3回は自分の袋を持っていくとか、そういった形でも良いと思うんです。そういう点からも、レジ袋を有料化したらみんなの意識が変わってくるのではないかと思っています。
私がいつも思っているのは、「受益者負担」っていう事です。利益を受ける人が負担をするという事。これは、色々な意味で基本となる考え方だと思うんです。レジ袋をもらう人ともらわない人がいるのに、処理費用はみんなの税金でまかなわれている。この事を考えても、レジ袋の有料化は良い案だろうと思っています。
ミテン子:たしかに、受益者負担という考え方は公平な考え方かもしれませんね。
詠田さん:みやざきレジ袋検討会議としては、現在は一人ひとりの意識改革から始めていますが、全国的には啓発の段階を終えてこれからは『実践あるのみ』という段階に入ってきていると感じています。
ミテン子:意識付けも大事だけど、これからは、実際に行動に移していく時期に入ったという事ですね。全国的な流れがそうなってくると、いよいよ自分達の生活を本腰を入れて変えていく必要がありそうですね。レジ袋の持参が私たちの生活に溶け込んでいくといいですね。
[◆これからについて]
詠田さん:名刺にも書いてありますが、私は、「環境省の3R推進マイスター」なんです。宮崎県内には1人しかいないんですよ。
何をするかというと、
◎3つのR
Reduce(リデュース)・・・減らすこと。
Reuse(リユース)・・・何回も繰り返し使うこと。
Recycle(リサイクル)・・・ごみの再資源化。
を推進していくんです。
そういう役割も担わせていただいているので、レジ袋の削減にもちゃんと取り組んでいきたいなと思っています。
(●写真は詠田さんの名刺の表裏。ポスターなどの綺麗な厚紙を再利用して作られていました。)
ミテン子:私も最近になってマイバッグを持ち始めたりしていますが、社会の意識が変わってきているなと感じることはありますか?
詠田さん:やっぱり、変わってきてますよ!メディアも社会も変わったと感じます。
社会の中で環境というのが、ものすごく注目されてきましたよね。行政の取り組みもずいぶん変化しましたね。
ミテン子:エコの会の会員の方々はどうですか?
詠田さん:エコの会の皆さんには周りの人たちに伝えていく役割を担って欲しいと思っています。
県には環境保全アドバイザーという制度があり、要請があった場所に出向いて環境についての講演を行ったり、研修をしたりしています。
エコの会のメンバーにもそういう役目を担ってもらえるといいと願っています。
ミテン子:エコの会の方は、環境アドバイザーとしての活動もされているんですね。
詠田さん:一部は環境問題に関する専門家として、県から派遣されたりもしています。
幼稚園や学校にいったり、公民館にいったりですね。最近は事業所からの依頼も増えています。
ミテン子:やはり、時代と共に企業も変わってきているんですか。
詠田さん:そうですね。社会貢献として、環境問題にも取り組んでいかなくては、という意識があるんでしょうね。
ミテン子:詠田さんもドイツに視察に行かれたそうですが、見習いたい点などありましたか?やはり、日本よりも環境に対する意識は高いのでしょうか?
詠田さん:意識が高いというか、高くならざるを得ないという方が正しいかな。
というのも、プラスチック類なんかのゴミを出すのが有料なんです。ポリ容器一杯で、2万円くらい払わなければいけないんです。これが受益者負担ですね。
使い捨てのものを使ったから、処理の費用は出しましょう、という考え方です。ペットボトルなんかも、使い捨ては出回っていなくて、代わりに、硬くてリユースできる物しか出回っていません。日本でも、そうするべきだと思いました。
これから先の子供達の事を考えたら、多少の規制はかけるべきだろうって、私は思います。
ミテン子:今の子供たちと、これから生まれてくる子たちの事を考えるとそういう考えになってきますね。
詠田さん:50年先にね、自分はもうこの世にいないだろうけれど、でも「自分につながるもの」はいるでしょう?子だったり、孫だったり・・・。その子達が、どういう物を食べて、どういうところで生きるのかっていうのを考えると、やっぱり今の自分たちの生活を見直して、減らせるものは減らす、やめるものはやめるっていう形にしていくのが良いのかなと思います。
ミテン子:未来を生きる私達の子や孫の事を考えると、具体的に「何かしなきゃ!」と思えますね。
私たちの身近に、こうやって環境について自ら率先して色々な取り組みをしている方がいる事を知ると、自分もできることから始めて続けていこうと思えました。
詠田さん、今日はお忙しい中時間を作っていただき、ありがとうございました。
このインタビューの後、詠田さんは早速次の活動へ出掛けられました。
みやざきエコの会(前身のエコ会議を含め)の活動は8年目だそうですが、詠田さん自身は18年前から宮崎県環境情報センターにおいて環境の啓発の仕事をしながら団体の活動にも取り組んで来られているのだそうです。最近ではそれらの活動が色々なネットワークとなって広がっていることも嬉しいとおっしゃっていました。現在は宮崎県より宮崎県環境情報センターの運営を受託されています。
環境への取り組みといっても、一言では表せないほど大きな分野ですよね。
それをまずは、身近なものから取り組み、良いものを取り入れて、不要なものは生活の中から取り去る。実際のところはそんな活動の積み重ねが重要なんだろうなと感じました。
詠田さんの話にあった、「自分につながる未来を生きる人の為に」という言葉、考え方がとても印象に残りました。少しでも環境について配慮しようと思う気持ちがあれば、是非、できることでいいから、その活動を続けて欲しいともおっしゃっていました。
私も未来を生きる人のために、今のこの美しい地球の景色をみてもらいたいなって思います。
そんな私としてできる事は・・・まずはエコバッグ持参、それからゴミを減らす意識を持って生活すること、この辺りを続けていきたいと思いました。
みなさんも身近なレジ袋やゴミの問題をもう一度考えてみませんか?
☆今回お話しをうかがったのは、
NPO法人 みやざきエコの会(宮崎県環境情報センター)
◆TEL&FAX :0985-29-6622
(宮崎県環境情報センター TEL:0985-23-0322 / FAX:0985-26-4720)
◆HP:http://www.econokai.com/
(PCからのみご覧いただけます。)
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