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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.160 痢病流行につき祈祷
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 2019年中国広東省で発生した新型コロナウイルスは、翌2020年2〜3月日本でも感染が拡大し、2023年1月5日宮崎県内新規感染者は最多の4,498人、2022年8月18日の4,113人を上回り過去最多を更新したと宮崎日日新聞が報じた。
 ワクチン接種、マスク着用、不要不急の外出禁止など、国民が2年余の感染防止を徹底した結果、2023年3月13日政府はマスク着用を個人の判断とすると、感染対策を約3年ぶりに方針を変えた。
 医療が未熟だった江戸時代、日向国高鍋藩ではどのようにして感染を抑える施策をしたのか。
 高鍋藩、元文元年(1736)6月22日痢疾(赤痢)が流行しているので日光院に祈祷させた。(『拾遺本藩実録』)
 安永8年(1779)7月17日、去年夏以来流行している時疫(流行り病)が今も止めることが出来ず、患者や死者も多いので日光院・円実院(藩直属の祈祷寺院)に疫病平癒の祈祷をさせた。領内の村々にお札を配り、身分の低い領民にも薬を施した。 (『旧記抜書壱(二)』)
 寛政9年(1797)7月22日、この時期痢病(赤痢)が流行し死人が多数でたので日光院に祈祷するよう命じ、領民に祈祷札を配ることは自由とした。(『旧記抜書弐(四)』)
 寛政9年閏7月2日疫病が流行し、困窮の者が服薬できず死んでいる状況を御上は気の毒に思い薬代など与えた。 (『続藩本藩実録(上)』)
 文政4年(1821)7月8日痢疾(赤痢)が流行、下々のよるべなき者は薬もなく非命(病死)する者もあり、これらを不憫に思われ朝鮮人参が下された。 (『続藩本藩実録(下)』)
 文政8年(1825)6月1日野別府で疫病が流行したので医者を派遣、極貧の者に薬を施した。 (『続藩本藩実録(下)』)
 赤痢や疫痢だけでなく疱瘡(天然痘・痘瘡)も流行した。
 寛保元年(1741)10月24日川北(都農町)で疱瘡が流行したため予定していた鹿狩を中止した。 (『拾遺本藩実録』)
 明和6年(1769)12月疱瘡流行。文化6年(1809)8月朔日去年以来疱瘡が流行、近頃は病の勢が盛んになり日光院・円実院に祈祷を指示し貧困の者には薬を与えた。 (『続本藩実録(下)』)
 天保5年(1834)3月23日疱瘡が流行、療治できない末々の者には薬を世話した。 (『続本藩実録(下)』)
 嘉永3年(1850)5月29日山田容庵と荒川環(医者ヵ)が北郷での種痘を申し出たので許可した。(『続本藩実録(下)』)
 高鍋藩は善政をしたことで知られる。
 宝暦11年(1761)11月15日百姓の子ども3人目から赤米1日に2合づつ、麦3合づつを扶助すると決め、(『続藩本藩実録(上)』)貧困で間引きする悪習を止めさせる政策をとった。今日でいう児童手当、扶助手当である。
 7代藩主種茂が前年7月7日に家督を継ぎ、領民のための善政を行うようになった。種茂が藩主になる以前は病が流行すると平癒祈祷が専らであったが、種茂が家督を継ぐと赤痢や疱瘡の感染が拡大すると貧困の者には薬や朝鮮人参を与えている。
 米沢藩主上杉鷹山は高鍋藩主秋月種茂の実弟、種茂と鷹山兄弟は善政を行なったことで名を知られる。さらに高鍋藩は嘉永3年(1850)に天然痘に対し種痘実施を許可している。
 伊東玄朴ら蘭方医の願い出により、江戸神田に牛痘種痘法を実施する種痘所が開設されたのは安政4年(1857)だから、それより7年も前になる。

資料
『宮崎県史料第二巻 高鍋藩拾遺本藩実録』宮崎県立図書館
『宮崎県史料第三巻 高鍋藩続藩本藩実録(上)』宮崎県立図書館
『宮崎県史料第四巻 高鍋藩続藩本藩実録(下)』宮崎県立図書館
『宮崎県史料第八巻 佐土原藩嶋津家日記(四)』宮崎県立図書館
2023-05-23 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと) 
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、
平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。
現在、宮崎民俗学会会長
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、
高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員

著書
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』(鉱脈社)、
『比木神楽』(鉱脈社)、
『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、
他に『鵜戸まいりの道』
『飫肥街道』(鉱脈社)

共著
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史(民俗)』
『北浦町史(民俗)』
『日向市史(民俗)』
『清武町史(民俗)』
『みやざきの神楽ガイド』
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