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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.12 足袋着用願い
前 田 博 仁 ( 宮崎県民俗学会副会長 )
 冬など足が冷たければ靴下など履くことは自由だが、江戸時代佐土原藩は役所の許可がなければ足袋を履くことができなかった。

 天保14年(1843)10月1日、佐土原藩士石谷雄助ら70人は、寒くなってきたことから足袋の着用許可を願い出ている。1日おいて同月3日には伊東源次郎ら50人、同月28日には立山貞記ら22人も同様の願いをだして許可された。(『宮崎県史料佐土原藩嶋津家日記(四)』)

 これは前年、佐土原藩は倹約令を出し、平日は男女とも足袋を履くことを禁止したことによる願い出だった。佐土原藩だけでなく全国どこの藩も経済的に苦しい藩運営を強いられていた。

 佐土原藩をはじめ日向諸藩の財政難は江戸初期から始まっていた。2度にわたる朝鮮半島出兵、慶長4年(1599)薩摩庄内の乱出兵、元和元年(1615)大坂夏の陣、寛永9年(1632)肥後藩主加藤忠広改易に伴う城受取り、寛永14年(1637)島原の乱などに日向諸藩は出兵を命じられ、これらによる財政的圧迫が始まっていた。さらに、寛永12年(1635)に参勤交代が制度化されると、各藩は多額の出費を強いられ慢性的な赤字財政を余儀なくされた。

 参勤交代や幕府公役などで出費のかさむ各藩は、新田開発や井堰建設、殖産などを行った。佐土原藩は検地して年貢を増やし家臣には知行半高上納を行わせるともに、宗藩鹿児島や商人からの借金などでその場を凌いできた。

 倹約令はたびたび出され、農民や町人だけでなく家臣にも厳しいものであった。天保13年に佐土原藩が家中へ出した倹約令の主なものをあげると、
 歳暮や節供の祝い物は近親者だけに留め、贈答はみだりに行わないこと。
 平日理由なく酒を飲まないこと。振る舞い料理は、馬上以上の身分の侍は一汁三菜、中小姓・徒歩は一汁二菜、小頭・足軽は一汁一菜とし、酒は乱酔にならないこと。
 衣服は馬上以上の士でも平日は木綿の着物を着ること、羽織や袴の裏地に絹を用いないこと。男女とも平日は足袋、雪駄、塗り下駄、奈良草履(奈良産)などを用いないこと(以下略)など、日常生活について細かく項目をあげ倹約を指示している。

 足袋着用を1か月に間に142人も許可していることから、他の者も許可願いを出したことは想像でき、結局倹約令はなし崩し的に有名無実となったのではないだろうか。
2011-06-21 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
1942年宮崎市生まれ 宮崎大学学芸学部卒 県内小学校、宮崎県総合博物館、県文化課、県立図書館、宮崎市生目台西小学校校長等歴任、定年退職後きよたけ歴史館館長
現在、宮崎県民俗学会副会長、清武町史執筆員

【著書】
『鵜戸まいりの道』(私家版)
『歩く感じる江戸時代 飫肥街道』(鉱脈社)
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史 民俗編』
『北浦町史』
『日向市史』
『角川日本地名大辞典 宮崎県』(角川書店)
『郷土歴史大事典 宮崎県の地名』(平凡社)
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