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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.212 1日1か所の断捨離
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 5月に語学アプリでフランス語の勉強を始めました。フランス語の勉強は10年以上続けていますが、少しも上達しないので、アプリでの学習を始めました。この語学アプリは世界中の人が使っていて、何ヶ国語も学習できます。私は最初、フランス語だけでしたが、現在は、英語、ドイツ語、韓国語、中国語などの外国語のほかに、数学とチェス、そして、音楽もやっています。
 いくつもの外国語を学習していると、最初のうちはバラバラで何のつながりも感じませんが、やっていくうちに少しずつ見えなかったつながりが見えてくるような気がします。主語と述語の並べ方や単語の類似性など、まったく無関係に見える外国語同士でも、言語として最初のほうの、深い根っこの部分はいっしょなのではないかと思ったりします。そして何より、一番感じたのは、英語という言語がとても簡単に思えたことです。なにしろ中学校から大学院まで10年以上学習しているのですから、あたりまえといえばあたりまえですが、まるで日本語と同じように母国語のような気がしてくるのです。何事も学習してきたことは無駄ではないのだとあらためて思っています。
 一番難しいのは韓国語ですが、これはハングル文字が読めないことからくるものです。40年前に「科学万博つくば」でコンパニオンをしていたときに、大韓航空のキャビンアテンダントをしていたコンパニオン仲間の人にハングル語を教えていただいたことがありましたが、その時はハングル文字をひととおり覚えて、少しは読めていたのですが、今ではもうすっかり忘れてしまい、簡単な母音と子音の組み合わせしか読めません。
 外国語の学習は、脳の神経回路を新しく開拓する意味でとても意味があるということで、毎日、楽しみながらやっています。なにより世界中の人が学習していて、世界のあちらこちらでこのアプリを使って、自分と同じ時間にさまざまな言語を学習していると思うと、地球規模の見えないつながりを感じてしまいます。現在、学習を始めて137日目ですが、朝起きて携帯電話を見ると、アプリを開く前に、アプリの進行役のキャラクターたちから、「せっかく毎日続けて学習しているのに、ここで連続記録を中断したらもったいない」などというメッセージが届いていて、こうして学習を続けている人が世界中に何万人もいると思うと、とても励みになります。
 さて、今月のコラムのタイトルの「断捨離」ですが、股関節の手術のために入院していたとき、退院したら一番やりたいことでした。しかし、時期的に児童文学の作品作りの一番大切なときでしたから、のびのびになってしまいました。しかも、退院から2ヵ月後には北海道、さらに、その3ヵ月後には沖縄と、忙しい日々が続き、そうして、再び児童文学作品作りの時期となり、ルーティンの「短編4つ、長編1つ」を終わらせ、現在150枚ほどの長編作品を執筆中ですが、急遽「断捨離」に突入したのです。
 どうして急に、なのか自分でもわかりませんが、そんな行動を始めた背景にはきっと何かがあったということらしいです。たとえば「これから何かが起こる?」「自分に何らかの変化がある?」「新しい何かが始まる?」「自分を取り巻く世界が変わる?」など、無意識のうちにそれを感じ取って、これまで取らなかった行動を取るのだということです。
 というわけで、現在、私は「1日1ヶ所の断捨離」を実行しています。断捨離をしていると、実に無駄なものをたくさん抱え込んでいるなあと感じます。しかしこれらの無駄に感じるものも、それを手に入れたときには自分にとって必要なものであったのだと思うと、人間は年とともに変化をして、進化をしていくものなのだと思うのです。ただ、本だけはなかなか捨てられない。現在おそらく5000冊以上あるであろう本をいかにして整理しようかと悩んでいます。他のものは案外あっさり捨てられるのですが、本だけはなかなかそれができません。息子が帰省したときに本棚を作ってあげようか、といってくれているので、本のことはそのときに考えようと思っています。
 断捨離をやりながら思ったことは、私という人間の辞書には「三日坊主」という言葉はないのだということです。何かをやり始めたら(もちろんいやなことはしませんが)、達成するまでは続けることができる、ということです。過去のコラムにも書いたように、目標を設定すると、それを達成するまで続けます。
 ・大学院進学・トライアスロン完走・本の出版・ボディビル大会出場・外国語の勉強、など、これまで設定した目標はすべて達成してきました。私にとって、残された時間はそんなに長くはないので、必要のないことに時間を割くことはやめようと思っています。たとえば人間関係。「どんな人間とも分かり合える」とは思いませんが、これまで、それなりの努力をしてきた私ですが、最近は、「分かり合えない人間とは、どんなに努力をしても分かり合えない」と思っています。能力、経験、思考、環境など、これまで積み上げてきたことのレベルや内容が違いすぎると、相手を理解することはできても、何かを得ることはできない気がするのです。自分が関心を持っていることに、相手が関心を持っていなかったり、その逆もしかり。いっしょにいても時間がもったいないと感じてしまう気がします。そして、最近は相手に対して瞬時にそれを読み取ってしまうので、そんな相手と接触する時間は持たないように本能的に行動しています。「断捨離」は人間関係にも適用できるということでしょう。
 こうしてコラムを書きながら、何度もその文章を読み返していると、明らかに私の中の何かが変わりつつあるのだと実感しています。その変化とは何なのか? それがわかったら、このコラムでお知らせしますね。
⭐︎今月の写真は私のお勧めの本です。
2025-10-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)
『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集)




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「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri


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