ミテンの本棚 > 体で感じる・心が育つ | ||||||
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![]() 考えてみると、上司から部下、男性から女性(またはその逆)などで生じるパワハラやセクハラと違って、親から子へのハラスメントとなると、そこに血縁関係が存在するだけに、その関係を絶ってしまえばそれで終わり、というわけにはいきません。ことに、それは大人から子どもとへというパワハラ以上のハラスメントが存在しますから、それを受ける子どもたちにとっては重大な問題になるでしょう。しかも、親からすると、子どものためと思ってやっている場合が多いので、余計やっかいです。教育ハラスメントを受けて育った人は大人になっても、親から言われた言葉がトラウマとなり、一生心の傷として残るようです。 ![]() 考えなくてもわかることですが、子どもにとって親からの言葉は絶対的な意味を持っています。子どもは小さくて弱い存在ですから、大きくて強い存在から発せられる言葉はそうならざるを得ないでしょう。ましてや自分を愛してくれていると信じている存在から発せられる言葉ならなおさらです。 ![]() 「こんなこともできないの」「どれだけいったらわかるの」は序の口。とても文章としてここに文字化できないような、聞くに堪えない言葉を日々浴びせられている子どもたちがたくさん存在するようです。こんな言葉ばかり投げかけられると、子どもたちはもはや立ち上がれなくなり、「自分はだめな子なんだ」と自己否定をするようになります。自己肯定感を持つことができなくなるのです。日々、言葉の暴力に耐え忍び、傷つき、その傷は次第に深くなっていきます。そして、大人になったとき、おもわぬ形に変化して現れるのです。 ![]() そんなことを考えながら、私は自分の親から受けた教育について思い出してみました。 私が親に対して大いに感謝をしているのは、親から「勉強しなさい」といわれたことがなかったことです。両親共に働いていたせいもありますが、あまり教育的な指導を受けた記憶がありません。いつも忙しそうに働き、人に頭を下げている両親の姿しかおぼえていないのです。それでも、勉強をする環境は与えられていたし、本もたくさんありました。ですから、私は今でもそうですが、勉強をすることが好きです。何かを自分から始めたり、調べたり、そして、本を読んだり、そんなことが大好きです。 ![]() 教育的指導の名の下にいつのまにか子どもたちが何をやりたいかを見つける前にその自由な思考を遮断してしまうような環境を、親自らが作り出してはならないということでしょう。子どもは未知なる可能性を秘めています。その可能性の芽を育て、大きく花開かせてあげるためにも、親からの言葉の暴力によって子どもたちを萎縮させることなく、自由に羽ばたけるような環境を作ってあげることが大切なのだと思います。 |
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2024-04-01 更新 | ||||||
2007
| 12
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著者プロフィール | ||||||
原田 京子(はらだ きょうこ) 1956年宮崎県生まれ 大学院修士課程修了(教育心理学専攻) 【著書】 児童文学 『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店) 『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店) 『アイコはとびたつ』(共著・国土社) 『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート) エッセー 『晴れた日には』(共著・日本文学館) 小説 『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社) 『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集) 『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集) 『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集) 『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集) 『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集) 『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() *********************** ※ブログのアドレス(※モバイルでは正しく表示されない場合がございます。 ) 「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/ 「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri ----------------------------------------------------------------------- ![]() 『プラトニック・ラブレター』の単行本が好評で、装いも新たに幻冬舎から電子書籍化されました。 Amazonの電子書籍はこちら(外部サイトへ) 紀伊國屋の電子書籍はこちら(外部サイトへ) |
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