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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.166 薩摩かくれ門徒を支えた日向本庄宗久寺
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
本庄宗久寺 幕府領
 浄土真宗本願寺派、本尊は阿弥陀如来。宝永2年(1705)宗雲の創建という。宗久寺が存在する幕府領本庄は薩摩領高岡(高岡町)や綾(綾町)、薩摩領深年・八代(国富町)に境を接しているため、薩摩一向宗門徒が密かに参っていた。さらに薩摩領野尻や紙屋(野尻町) の門徒は鵜戸参詣を口実に宗久寺に参り法会に参加していた。そこで宗久寺では鵜戸山(日南市)のお乳飴を大量に買い置き、薩摩門徒が帰るとき飴を与え番所通行の際鵜戸参詣の証としていたと伝える。江戸末期鵜戸山には「飴売婦女百余人」(『日向地誌』)がいたようで、慶応3年(1870)高岡地頭名越時敏が鵜戸参詣の際、飴売り女たちの猛烈なアタックで止む無く買っている。鵜戸参りと土産の飴は定番となっていた。
 紙屋町の漆野原に33戸、新町に8戸、八久保3戸、池之尾に15戸の宗久寺門徒がおり、明治・大正の頃は盆や彼岸の紙屋門徒巡りは泊りがけで1週間を要した。当時住職は徒歩で綾町上畑から峠を越え、さらに瀬越の峠を越えて行ったが、紙屋の門徒代表は瀬越の峠まで出迎えることが慣例になっていた。現在は自家用車、ルートも変わり峠での出迎えと見送りはなくなった。
 天保4年(1833) 西本願寺は財政再建のため改革に着手、全国に使僧を派遣して教化と募財を奨めた。薩摩潜入には無涯が選ばれた。
 安政元年(1854)出立、肥後側から薩摩に入り、平川椎茸講、須木椎茸講、内場仏飯講、同焼香講、同煙草講など薩摩北部の教化と募財に当たった。
 安政4年5月無涯の薩摩潜入は薩摩役人の知ることとなり、身の危険を感じた無涯は日向に脱出、本庄宗久寺に落ち着き、高岡や綾など門徒や近隣寺院の檀徒に法会を行っていた。
 ところが門徒の一人が密告、高岡から捕縛人200余人が宗久寺を取り囲み、無涯引渡しを迫った。無涯は宗久寺や本願寺に迷惑が掛からないよう、文書類を焼却するなど身辺整理をして縊死(いし)した。
 この事件は幕府領富高(日向市)の正念寺が本願寺に報告、田野西導寺も書簡を送っている。無涯事件は薩摩藩、幕府、本願寺、無涯の出身地安芸藩(広島県)の協議となり複雑化、無涯を無宿人として扱うことで決着した。
 明治になり、旧薩摩領内門徒の間に無涯に対する尊崇の念が高まり、明治22年(1889)山田町(都城市)に正定寺を建立、無涯墓をこの寺に移した。

参考資料
前田博仁著『薩摩かくれ念仏と日向』改題『隠れ念仏四百年』鉱脈社
2023-12-26 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと) 
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、
平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。
現在、宮崎民俗学会会長
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、
高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員

著書
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』(鉱脈社)、
『比木神楽』(鉱脈社)、
『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、
他に『鵜戸まいりの道』
『飫肥街道』(鉱脈社)

共著
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史(民俗)』
『北浦町史(民俗)』
『日向市史(民俗)』
『清武町史(民俗)』
『みやざきの神楽ガイド』
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