ミテンの本棚 > みやざきの言葉 | ||||||
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外部話者に対する方言表記 宮崎県では沖縄や奄美大島のように方言を盛んに使用して外部話者に地域性をアピールしている例は少ないのです。観光客を対象とする店や他県へ通じる主要道路に面している店は、少なからず外部話者を意識していると思われますが、方言を使用している例はほんの少しです。なかなか見つけることができなかったのですが、ようやく次の3件を見つけました。 図12から図14すべて、車を止めてこの店に「よっていきなさい」と方言を使って誘っています。沖縄と異なり、単純な勧誘表現だけに方言が使われていることがわかります。沖縄方言のテンプスやマチグワーなどは説明が必要ですが、図12から図14の例は、外部話者でもある程度意味がわかるでしょう。沖縄や奄美大島のように見知らぬ土地に来たというエキゾチックな感覚を演出する効果は弱いものの、昔ながらの伝統性や素朴さは演出できていると考えられます。また、方言を使用すると、値段が高い店なのではないかという警戒感も薄れる効果があると考えられます。これは方言イメージを利用した演出といえるでしょう。図12から図14は、やや不思議さや面白さを感じさせながらも親しみを込めて客を誘っているものです。平仮名で表記されていることも、親しみやすさを強調しています。図14は字体を崩すことによって、反近代的な素朴さもアピールしています。図14「よっちみろ屋」は終助詞のヤに屋を掛けたネーミングであり、各地でよく見かける手法です。杉村(1997)では福岡県飯塚市の「来てん祭」(ショッピングセンターののぼり)、「きてん祭」(催し物の案内の掲示)などが紹介されています。 宮崎市街地には図15のような例もあります。「どげんかせんといかん」は東国原英夫知事が使用したことで有名になり、2007ユーキャン新語・流行語大賞に選ばれた表現です。これなどは話題性を考慮したネーミングといえます。 |
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2008-07-18 更新 | ||||||
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