ミテンの本棚 > みやざき風土記 | ||||||
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日之影神楽 日之影町は大人(おおひと)、大菅、鹿川の各集落に高千穂系神楽が伝承し、それぞれ「大人神楽」「大菅神楽」「鹿川神楽」といい夜を徹して舞う。日之影神楽でも「岩戸五番」を重要演目に位置付け、所に依って順序が多少異なることはあるが伊勢神楽、手力男、鈿女、柴引、戸取、舞開」が連続して舞われる。 日之影町大人神楽 大人神楽は神楽宿で舞い手や氏子がカズラの輪潜りをして身を浄める。これを「すがもり」と言う。また、大人神楽では手力男が児童の演じる天照の両手を持ち膝で移動しながら導き出す舞開は感動的である。 伊勢神楽唱教 抑々日本の主の縁起を説き給う御時、第一番と申するは今の御伊勢天照大神是也や、第二番と申するは月読の命と一っぱ、日向の国鵜戸の権現是也や、第三番と申するは蛭子の命と一っぱ、西の宮恵比須三郎殿是也や、第四番と申するは素盞嗚命と一っぱ、出雲の国大社の宮是也や、 その時素盞嗚命の申すには吾こそ一の男よと、宇田の里宇田の郡と言う所に至りては八剣をつくり、神戦を舞い行わせて給へば、その時伊勢大神宮な世も恐ろしき事よと、日神月神をいだきとり、天の岩戸の奥深く閉じ籠らせ給へば、その時に日本な三年三月があいりょうやの闇となれり、その時八百万の神達は天に仰ぎ地に伏しりゅうて黄金尚悲しめども明らかなる御代更になし。其の時宇一の命、す一の命、おとまつの命、おとちこの命、おもたるの命、かしこねの命達は天の岩戸に集まられ、七日七夜の神かんざかを舞い行わせ給えども、明らかなる御代と更になし。 其の時いざなぎいざなみの命はここに面白きはかり有とて天のほらく箱根山と申す所より榊葉三本根こぎにこぎ下し、天の岩戸の前に植え育て、上つ枝にはやさかの鏡、中つにはせきすいの玉、下つ枝には青みてぐら白みてぐらをかけ、神かんざかを舞い行わせ給えば、その時伊勢大神な世にも面白き事よと天の岩戸をほそどうに明け給えば、その時日本なおぼろ月夜の如くなれりや、その時うれん太郎は柴をとりのけ、とかくしの明神はおく千歳の力を出し順手の戸を取り投げさせ給えば美濃の国枝が原にぞつき給う、右手の戸を取り投げさせ給えば日向の国青木が原につき給う也や、其の時手力の明神ましまして伊勢大神の御手を取り舞い出ださせ給えば、その時より日本な今が今まで面白き世とはなりたるもの也や。(甲田琢馬氏提供 日之影町大人神楽 昭和五十五年十二月) |
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2022-07-12 更新 | ||||||
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著者プロフィール | ||||||
前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員(参与)、日南市文化財審議会委員 【著書】 『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 【共著】 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史』 『北浦町史』 『日向市史』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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