ミテンの本棚 > みやざき風土記 | ||||||
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![]() 椎葉村内26か所に伝承し、平成3年国の重要無形民俗文化財に指定された。 椎葉神楽にも「伊勢神楽」や「手力」「柴引」などの演目があるが、演目中の位置づけは高千穂の「岩戸五番」ほどの扱いではない。反面、高千穂では殆ど舞われない「綱切」即ち八岐大蛇退治が嶽之枝尾や栂尾、大河内、合戦原などの神楽で演じられる。なお、椎葉村の奥に位置する尾前、尾手納、向山日当、向山日添、不土野、古枝尾の神楽には「伊勢神楽」はない。 ![]() 嶽之枝尾神楽 嶽之枝尾神楽は山ノ神が来訪し一夜の宿を乞う「宿借り」、外神屋に立てられた12本の注連の前で華麗に舞う「注連引き鬼神」などが特徴。「伊勢神楽」では宮司が唱教を唱えた後舞を披露する。なお「手力」「戸取り」「芝引き」が「伊勢神楽」の数番前にが演じら高千穂とは順が異なる。 伊勢神楽唱教 抑も抑も天神七代を表はせ給ふ、地神五代始まり給ふ、伊弉那岐伊弉那美の尊には、おほやしまをうみ給ふ、いちにつき三男をうみ給ふ、第一伊勢天照皇太神宮是なり、二番豊受大神宮、三番出雲のくにおほやしろ、四番に西の宮えべす三郎是なり、 ![]() 其の時そさのうの(宣)給ふようはわがこそ男子なり、一つに天照皇大神宮は国のあるじとなり給ふ事あゝらむねやんと思召し、大和の国へ降り、うだ(宇陀)の氷(郡)にて矢剣を作り、すでに大神に随へんとせし時、時に大神は是をさとり、あら恐ろしやと思召し、月日をいだきとり、日向の国桂木の天の岩戸にふかくとんで籠らせ給へば、今わがちう(我朝)大日本も、ぢょうや(常夜)のやみ世とぞなり給ふ、 其の時によろずよの神達はそさのう尊を捨て、天の岩戸の口に参り、天に焦がれ地に伏し嘆き悲しめども、其の甲斐さらになし、 ![]() 其の時大神は岩戸の中よりきこしめし、あゝら面白やと思召し、岩戸の口を細戸にあけ、ごえいらん(御叡覧)あらければ、今わがちょう大日本もおぼろ月夜の如くなり、 其の時に美濃の国にそなはるゝとがくし(戸隠)の明神と申すは、力強き神なれば天の岩戸の口に参り百千八万歳の力を出し、岩戸の口を取って引き破り投げさせ給へば、一方のとびらは美濃の国とがくしをに落ち止まり、一方のとびらは元の天の岩戸に止まり給ふ。 其の時今わがちう大日本も明らかのみよ(御世)とぞなり給ふ ※『椎葉神楽調査報告書 第二集』椎葉村教育委員会 昭和58年3月 |
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2022-09-13 更新 | ||||||
2025
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著者プロフィール | ||||||
前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員(参与)、日南市文化財審議会委員 ![]() 『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 【共著】 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史』 『北浦町史』 『日向市史』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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