ミテンの本棚 > みやざき風土記 | ||||||
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バックナンバー一覧
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演目 一四番 弓の正護(上) 一五番 弓の正護(中) 一六番 弓の正護(下) 天日鷲神、月読神 二人舞。宝冠、鉢巻、白張。太刀、柴、鈴、背に矢二本を挿す。鉢巻に宝冠をはさみ、襷がけ、矢を負うて舞う。弓矢の謂れを説き、それぞれの部分に神が宿り給う説く。太鼓の調子も一番はやく軽快勇壮な動作が要求される。 一七番 住吉 住吉大神、八幡大神 二人舞。毛笠、舞衣、白袴。鈴、扇子。 舞衣の袖を巻き又ほどき、静かに波打つような所作を繰り返し舞う。優雅な演目。 一八番 荒神 瓊々杵命、猿田彦神、天叢雲神、三宝荒神とも言う。 神主 天穂日神 連舞三人 三人舞。着面、宝冠。面棒、扇、幣。 一荒神は山の神とも言い、榊を腰に差し山を支配する神は我なるぞと荒ぶる神。二荒神は築地荒神と言う。社や鳥居を建てるときは我の許しを受けよと権力を説き、三荒神はこの世は我の指示に従い暮せよと説く。神主と掛けあい、最後に住民のためと仲直りする。氏子たちも喜び「柴入れ」を行う。夜中頃の神楽で「夜中の荒神」とも言い、祝いの雑炊が振る舞われる。 一九番 稲荷 春日大神、白髭大神 二人舞。毛笠、舞衣。鈴、扇。 はじめは鈴と扇で舞い、中頃幣を持ち、最後に舞衣を脱ぎ左右に振り膝を折って舞う。稲の神の舞で優雅で重みがある。 二〇番 新地割(上) 二一番 新地割(下) 天鈿女神、枛津媛、 木花開耶媛、大屋津媛 四人舞。宝冠、鉢巻、白袴。鈴、榊、太刀 上の舞は鈴と榊を持ち、下の舞は鈴と剣を持って舞う。 日の本高千穂は神の国で美しく清らかな里、その里に住む我々は身を浄め、神をたたえて暮らそうと説き威勢よく舞う。 二二番 沖江(上) 二三番 沖江(下) 天叢雲神、天種子神、事代主神、月読神 四人舞。毛笠、白張。柴、鈴、腰に幣二本を挿す。 竜宮の水神を招き、神の守り、水の守り、谷川の清らかな水、生きるため大事な水を守れと願って舞う。 二四番 神髄(上) 経津主神外三神 二五番 神髄(下) 建御雷神外三神 四人舞。宝冠、白張。太刀。 天の岩戸に隠れた天照大神の所在を求めて、山や谷を渡り岩戸に近づく舞。四人が剣の切っ先を持って輪になり剣の下を潜る岩潜りを行う。四人が三人、二人と減り最後は一人が剣二振りを持って勇壮に「舞上げ」を舞う。 二六番 午頭天(上) 二七番 午頭天(下) 素盞嗚神外三神 四人舞。毛笠、白張。鈴、柴。 素盞嗚神(牛頭天王)は高天原を治めるのは我なりと天照大神と争い、天照は岩戸に隠れた。手力男神に諭され素盞嗚は岩戸の庭で大神のお出ましを願うことになった。諸神の舞に大神が岩戸を少し開けたところ、皆喜びを五体に表し途中から「国生み」「人生み」のために「歳の神」が現われて子孫繁栄を願う。 二八番 伊勢(上) 二九番 伊勢(下) 天児屋根神 一人舞。烏帽子、舞衣。鈴、幣。 畳一枚の上で静かに舞う。下の舞は「伊勢の延喜」の唱教を唱える。共に天照大神のお出ましを願って舞う。 三〇番 岩戸上 春日大神 一人舞。着面(春日大神)、烏帽子、色素襖、白袴。幣、鈴。 岩戸前の榊に、上の枝に勾玉、中の枝に鏡、下の枝に幣帛を掛けて神楽を舞い、岩戸の天照が岩戸を少し開け高天原が「おぼろ月夜」のようになったとき喜びを表現する舞。 三一番 柴取 香児山神 連舞一人 一人舞。着面、白毛頭、タスキ、青着物、白袴。腰に刀を差す。舞処外の氏子が持つ柴を引き合い、最後に取り上げる。 岩戸の庭の榊が舞いに邪魔となり、これを引き抜いて投げる力強い舞。 三二番 戸取 手力男神 連舞一人 一人舞。着面、青着物、赤オクチ、赤袴。面棒、刀を差す。開扇と面棒で舞い、舞処外の氏子が持つまな板(岩戸)を引き合 い、最後に取り上げ、逞しさが躍動する荒々しい舞。 三三番 岩戸下 春日大神 一人舞。着面、烏帽子、青直垂、白袴。両手指先を合わせ親指と人差し指の間を開け、日形を作って舞う。日と月を持つ天照大神の手を取って岩戸から引き出す舞。 三四番 浮輪取 鈿女神 連舞一人 一人舞。着面、毛頭、赤狩衣、白袴。浮輪を付けた面棒と開扇で舞う。天照大神がこの世を治めることになった喜びの舞。 三五番 火の神 天津児屋根神、神漏岐神、手置帆負神、猿田彦神 四人舞。烏帽子、素襖、白袴。 開扇と鈴で舞い始め、途中から閉扇、腕に袖を巻き,解く。 舞い方、舞い順は森と同じ。御高屋を舞い出て新築、改築のあった家の釜屋に舞い込む。竈神を祀り釜屋の安全を祈念する。 三六番 注連口 神漏岐神、神漏弥神、手置帆負神、天津児屋根神 六人舞。烏帽子、素襖、白袴。鈴と注連竹に結び付けた願の紐を持ち、紐を潜り、撚り、ほどき引き合って舞う。諸願成就の舞。 三七番 稲荷 稲荷大神 連舞一人 一人舞。着面、毛頭、素襖、白袴。開扇と飾り棒を持ち舞い、諸願成就、新しい年の豊作を祈る。 参考資料 「御神楽舞い方集」諸塚神楽南川保存会 昭和61年3月31日 「御神楽のしおり」宮崎県諸塚村南川神社神楽保存会 昭和61年3月31日 「御神楽舞い方全集」宮崎県諸塚村南川御神楽保存会 平成元年1月20日 前田博仁著『神楽のこころを舞いつぐ』鉱脈社 |
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2023-12-12 更新 | ||||||
著者プロフィール | ||||||
前田 博仁(まえだ ひろひと) 昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、 平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。 現在、宮崎民俗学会会長 (県)みやざきの神楽魅力発信委員会顧問、(県)伝統工芸品専門委員、 高鍋神楽記録作成調査委員会参与、日南市文化財審議会委員 著書 『近世日向の仏師たち』(鉱脈社) 『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社) 『近世日向の修験道』(鉱脈社)、 『比木神楽』(鉱脈社)、 『神楽のこころを舞いつぐ』(鉱脈社)、 他に『鵜戸まいりの道』 『飫肥街道』(鉱脈社) 共著 『宮崎県史 民俗編』 『日之影町史(民俗)』 『北浦町史(民俗)』 『日向市史(民俗)』 『清武町史(民俗)』 『みやざきの神楽ガイド』 |
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