口蹄疫ボランティアに参加しました
今回はMRTグループ内で実施された口蹄疫対応ボランティアに参加させていただきました。今回の口蹄疫発生に対して、私自身何かできることがあるんじゃないかっていうことがきっかけであり、参加の理由でした。会社から実施日の打診があったのはそれから約1週間後のことです。
■では、さっそく現場へ、防護服を装着
今回は、私と後輩の2名での参加。どちらも未経験者です。交代時刻の30分前に引継ぎがあるということでしたので、やや早めに出発。到着すると対策本部となっているプレハブに案内されて、名簿に名前と会社名を記入。前日にはMRTの“ムーキン”こと村山アナも参加していたようです。また、現地の方の話によると、1週間程前には“タケ坊”こと川野アナウンサーも参加されていたという事でした。MRT男性アナウンサーも積極的に参加されているようです。
自己紹介もそこそこに、さっそく防護服に着替えます。防護服はサイズがS/M/L/XLとあり、ツナギみたいになっています。素材は、軽くて紙のようですが、高密度ポリエチレンという素材で、かなり通気性が良く、あわせて、マスク・手袋・長靴を着用します。その姿は、さながら映画『アウトブレイク』でのダスティン・ホフマンのようです。映画の内容も感染力の高い未知のウィルスに対する対応を描いたものでしたが、映画同様に自分に課せられた使命に緊張もかなり高ぶってきました。
■引継ぎ作業
私たちの担当は、消毒薬を散布する係です。前任者(MRTの方)から、まずは動力噴霧機である、消毒薬を散布する機械の説明を受けます。操作方法や散布する際のコツなどを伺い、消毒薬の作り方と夜間の発電機の使い方の説明を受けます。すべてが初体験なので、やや混乱しましたが、説明を受けている間にもポイントを自動車が数台行き交います。私たちは実践しながらの習得をしていきました。車の大きさにもよりますが、一般車両であれば、だいたい1分以内で終わることがわかってきました。何とかいけそうです!
■実際の体制
私たちが参加した時間帯は、台数が少ないらしく、3名体制で作業を実施していきます。案内係(誘導やドライバーさんに、消毒箇所と経路等を確認する係、県職員の方でした)と消毒係2名で次の交代要員が来るまでがんばります!
■「念入りにお願いします!」
そうしている内に、数台のバスが到着しました。殺処分現場に出入りした車両です。
「念入りにお願いしまぁーす!」との指示が耳に飛び込んできます。前から後ろにかけて、たっぷり消毒薬をかけます。ここにもしかするとウィルスがいるかもしれない!!と思うと、先程とは打って変わって緊張度が増してきます。
たっぷりと、しかも念入りに消毒液を吹き付けました。気持ち的にも、もう少しだけ、もう少しだけと気が付けばかなりの時間を掛けていました。そのような感じで、夕方は仕事帰りのトラックや家路に着く一般車両が続き、休む間もないまま消毒作業が続きます。
作業としては、消毒薬を車両に吹き付けるだけの単純作業ですが、車両の周囲を上から下にまんべんなく散布しますので、地味に身体、特に腰に効いてくる作業です。おまけに雨も降り出し、視界も悪く身体も冷えてきますが、この位でくじけてはいられません!
■現場の雰囲気
当日の天気は、梅雨入り直後ということもあり天気は崩れ気味。前日の強風でテントが壊れたり噴霧機の調子が悪かったりと、小さなトラブルが発生しているようでしたが、みんなで力をあわせて問題解決をしているという連帯感に包まれて、とても良い雰囲気で作業できました。
しかし、他の消毒ポイントによっては、処理する車両数も多く、数時間、休み無しに消毒作業!という場面も多く見られるそうです。本当にご苦労様です!
夜間困ったのは、あらゆる場所から投光機を目指して飛んでくる無数の虫でした。中には小鳥並の大きさの蛾!もいたり。。天気が良い日はもっとすごいというお話でしたが、これからの季節、想像するだけで・・・。
また作業実施の前に配布された案内用紙に記述されてあった「ドライバーの方とトラブルにならないよう…」という注意書きが気になっていたのですが、実際はドライバーのみなさんは気軽に「ご苦労様!」と声を掛けていただき、とても清々しい気持ちで作業を終えることができました。
■最後に
口蹄疫ウィルスは、目には見えませんが、みなさんご存知のように大きな被害となっています。人には感染しないものの、人を介して伝染する可能性があります。口蹄疫の現場となっている、畜産農家や関係者のみなさんのご苦労は、想像を絶するものがあります。だからこそ、私も含めて県民それぞれが、口蹄疫を根絶するためにできることから、はじめることが大切だと感じました。
■そして新たな友情も
ボランティアに参加した後輩は、平日でも朝4時(!)から釣りに出かけるほどの釣りマニア。夜間から参加した地元のボランティアの方と釣りの話で意気投合、地元には、かなりの秘密ポイントがあるそうで、次回は、一緒に釣りに行きましょう!と盛り上がり電話番号交換していました。
口蹄疫は一日も早く撲滅させなければなりませんが、「戦場に咲いた一輪の花」よろしく同じ目的で作業した者同士に新たな繋がりというか、この作業を通して新たな友情が芽生えたという事実も是非付け加えておきたい微笑ましい光景でした。
■まずはできることから
口蹄疫対策はいろんなところで処置がとられています。消毒ポイントで消毒してもらうこと、消毒マットがある場所では必ず消毒してから入場すること。身近なことからでも私たちにできることはたくさんあります。
まずは消毒マットで消毒してから店内に入る。消毒液が設置されてる箇所では念入りに消毒を行う。特にお子さんを抱っこしたまま消毒マットを通り過ぎてもそれは消毒したことになりませんので注意が必要です。
ひとりひとりの気遣いが口蹄疫の拡大を防ぎ、縮小化できるものと信じています。