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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.151 てげてげとぼおっと
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 7月のコラムで、「私にとって今頃の時期が精神的に一番複雑な(苦しい)ときです。(中略)4月という新しい年の始まりに、3月までの1年をリセットし、新しい作品作りに入ります。作品の構想はたいてい頭の中にあり、それを目に見える形、つまり文字にしていきます。作品のできあがりの目標時期は秋ですから、そこに向けて作品を完成させていくのですが、今がちょうどその中間地点。作品の仕上がりのメドがついていればいいのですが、たいていはそうではなく、壁にぶつかっているのが今の時期です。案の定、4月から書いてきた作品が80枚近くのところで、ペンが止まり、大きく方向転換、というより最初から書き直し、という状態に陥っているのです。」そう書きました。 
 そして、まさに、今がちょうど作品の出来上がりの真っ最中なのです。幸いにして、4月から書き始めていた長編児童文学作品は無事書きあがり、9月初めの締め切りに向けて、あと2作品を執筆中です。

 というわけで、このところパソコンに向かう時間が多く、そのせいで「頚椎椎間板ヘルニア」を発症してしまいました。ただでさえ「腰椎椎間板ヘルニア」と「臼蓋形成不全」という2つの病気によって、腰や股関節の不具合を抱えているのに、そのうえさらなる試練です。頚椎左側の椎間板が首の神経を圧迫しているので、左腕が肩から指先まで痺れているし、痛いです。指の痺れに気づいたのは数ヶ月も前ですが、まさかそんな事態になっているとは夢にも思いませんでしたから、普通に仕事を続けていました。
 しかし、肘から指先に痛みが走り、さすがにこれはいけないと、福岡で整形外科医をしている弟に聞いてみました。すると弟は、「頚椎をやられているね。病院に行ってちゃんと診てもらったほうがいいよ。」といいましたが、私が病院を訪れたのはそれから2週間後でした。病院でレントゲン写真を見せられ、唖然としました。見事につぶれた椎間板とそれに圧迫されている神経。道理であんなに痛いはずだと思いました。そして、どうしてもっと早く病院に行かなかったのかと後悔しました。

 私はいつもこうなのです。「倒れてから気づく」という性格で、私が抱える病はすべて私の無理が祟っているのです。「腰椎と頚椎の椎間板ヘルニア」も「円形脱毛症」も「メニエル症候群」も、すべて私の「倒れるまで無理を続ける」ことから発症しているのです。無理さえしなければ、私は本当に「健康体」なのです。ですから、私を知るすべての人が「あなたはいつも、何事にも一生懸命になりすぎるから、無理をしないで、てげてげにね」といいます。このあいだもかかりつけのお医者さまから「たまには海をながめながらぼおっとしてみたらいいですよ」といわれました。
 しかし、私は「てげてげ」ということが嫌いなのです。「ぼおっと」していることができないのです。でも、そのせいで病気になってしまっては本末転倒ですよね。
 というわけで、いつもの机と椅子では左腕が痛くて5分と持たないので、ニトリとナフコに行って、あらゆる椅子に座ってみて楽になれる椅子を探して買いました。そして、私の病状を知った息子が、その椅子に座った状態で、机を使わなくてもできる「クッション付の膝にのせる板状の机」をアマゾンで探してプレゼントしてくれました。
 夫に買ってもらった椅子に座って、息子が買ってくれた机を使っている私は本当に幸せ者だと感じながら、今、まさに作品を執筆中なのです。

 さて、痛みを薬で抑えて作品を書いている私は、ふとある人のことを考えるのです。それは「大峯千日回峰行大行満大阿闍梨」の塩沼亮潤さん(52才)のことです。
「大峯千日回峰行」とは、往復48キロの剣山要所を1000日間歩み続け、その後、飲まず、食わず、眠らず、横にならず、9日間祈り続ける四無行のことで、それを達成した僧侶のことを「大峯千日回峰行大行満大阿闍梨」と呼びます。その「大峯千日回峰行大行満大阿闍梨」である塩沼亮潤さんをテレビが取材していました。
 その番組の中で私が印象に残った言葉が、
「自分で俯瞰して、ああまだ駄目だなと、そういう思いがあるんですけど、良い塩梅に成長してきたなっていえるのは、51才のとき、つまり、つい最近のことなんですね。」
という言葉です。そして、そんな塩沼さんの言葉に対して、取材者は、
「51才のときの気づきの前と後とで一番違っているのは何ですか?」
 そんな質問をします。どんな答えが返ってきたかと思いますか? 
 たったひとこと、「いつも笑っているかなあ、ふふふっ」ですって。すごいなぁ。
 さらに塩沼さんと取材者の会話が続きます。
「塩沼さんが生きている間に果たすべき役割はなんだと感じていらっしゃいますか。」
「世界中の人たちが、より多くの人たちが、争いなく、みんな笑みを交わしながら、仲良く暮らす世界をなんか伝えたいですね。それが私の人生の最終目的です。」
「でも、世の中には不条理なことも多いですし、実際に紛争もたくさんありますよね。そんな中で塩沼さんのお話っていうのはあまりにも理想的過ぎるんじゃないかという気がするんですよ。」
「でも理想に燃えているそういう一輪の花が山中に咲いているというだけでも価値がありませんか?ただ自然にそうなったらいいなあと思う人が世の中に1人いて、2人いて、3人いて、だんだん増えていったら理想に近づいていくんじゃないかと思います。」
 塩沼さんの言葉は、ささやかです。「いつも笑っている」「山中の一輪の花」。あれだけの大行を成し遂げた人の言葉だけに、かえってすごいなあと思っている私です。だから思うのです、大きなことを成し遂げた人ほど多くを語らないのだと。そして、インターネットという二次元の世界で自分をブランド化し誇大に宣伝している人の言葉が嘘に思えてくるのです。

 まあ、いずれにしても、「てげてげとぼおっと」なんてできない私は、「大峯千日回峰行大行満大阿闍梨」の塩沼亮潤さんの修行の凄さにくらべたら、左腕の痛みに耐えながら執筆している私の大変さなんて、そう思いながら、必死で作品に取り組むのでした。

※今月の写真もお薦めの本たちです。

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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)
『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集)




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