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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.1 体で感じる・心が育つ〜「根っこ」の大切さについて
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 子育てがやっと終わりました。息子が二十歳になったのです。もうすぐ成人式です。ホッとしたという気持ちとともに、さびしいという気持ちが大きいのも事実です。街で、小さい子どもを連れているお母さんを見ると、とても羨ましくなります。子育てができる時間なんて、終わってしまえば本当にあっという間なのです。
 子育てを終えて思うことは、親の役割、ことに、お母さんの影響が本当に大きいということです。育て終わってしまったからこそ痛感するのは、子どもにとって何が大切なのかということを、母親としてしっかりと認識しなければならないということです。
 子どもを育てる上で一番大切なのは「根っこ」、つまり、人間としての基礎となる土台である、今だからこそはっきりとそういえます。子どもがこの世に生を受けて最初に出会う人間である「お母さん」が、この「根っこ」をどう育てていくかで、子どもがどんな未来を迎えるかが決まってくるといっても過言ではありません。どんな「根っこ」を育てたか、その結果は、遠い未来に出るので、なかなかその遠くを見越して子育てをするのは難しいかもしれません。ついつい目先のことが気になって、すぐに結果が出ることにとらわれてしまいがちです。
 新聞で、「一歳半検診」などの定期健診を受けないお母さんが増えているという記事を見つけました。自分の子どもが遅れているという事実を突きつけられるのが怖いというお母さんが増えているというのです。初めての子育てで、戸惑うことばかりの若いお母さんは、ただでさえ子どもの発育が気がかりなのに、他の子どもと比較したり、もしかしたら発育が遅れているといわれるかもしれない「検診」という場所に行くことが、億劫になるのかもしれません。
 しかし、人の言葉や育児マニュアルに一喜一憂するよりも、自分の子どもが今どういう発育状況にいて、自分が母親としてどうかかわるべきか、自分の目で子どもを見つめて、しっかりと把握することが大切だと思います。
 子育ての過程で、私も、いろいろなことを試してきました。知育玩具を使って、いろいろな働きかけもしてみました。「ドーマン・ドッツカード」や「二キーチンの積み木」、とくにこの「二キーチンの積み木」にいたっては、自分ですべて色塗りをして積み木を作ったので大変でした。
 結局、私自身がこれらの知育玩具についての知識をきちんと持っていなかったので、ただおもちゃとしてこれを使って遊ばせていただけでしたから、どのような効果があったかわかりません。今考えてみると、かえってそれで良かったと思っています。中途半端な知識で親の方ががむしゃらになって、子どもに遊びの枠を超えてこれらを使っていたら、せっかくの知育玩具が逆効果をもたらしていたかもしれないからです。もちろん、私にちゃんとした知識があって、これらの玩具をきちんと使っていたら、息子はもっと素晴らしく育っていたに違いないのですが。
 私が子育て中、とくに、小学校に入るまでに息子に対してやってきた母親としての働きかけで、これはよかったなと思うのは、「読み聞かせ」です。息子がお腹にいるときから、声を出して本を読んだり、お話のテープを聴いたりしましたが、息子が生まれてからは、実に様々な本を読んで聞かせました。いちばん長いお話は、ミヒャエル・エンデの「モモ」でした。
 息子が小学校に入学することによって読み聞かせをやめたのは、読み聞かせをすることができなくなったからです。学校から帰るとランドセルを玄関から放り投げて、外に遊びに行きます。暗くなるまで帰って来ません。帰って来たら夕ご飯を食べて、それからお風呂。八時を過ぎる頃にはもう疲れ果てて夢の中です。こうして私の読み聞かせは終わりを告げました。
「読み聞かせ」などの子どもへの働きかけは、それをやることによって、すぐにこれといった目に見える効果が期待できるものではありません。
 息子は、私があれほど読み聞かせをしたにもかかわらず、自分一人で本を読むことはほとんどありませんでした。小学校の間は、放課後は外遊びに忙しく、家の中で本を開いて読むなどという光景は皆無。作文も大嫌いでした。小学校を卒業すると、県外の中高一貫校に進学しましたから、息子がどんな状況にあるかを把握することはできなくなりました。
 月に一、二度帰省する息子のカバンの中に、本を見つけるようになったのは、高校生になってからでした。そして、ある日、帰省した息子のカバンの中に日記のようなものを見つけたのです。カレンダーにはいろいろな印がつけてあり、年に何回か、私が面会に行く日には、二重丸が書いてありました。そして、その横には、「お母さんが来る日」と書き込みがあり、「やったあ」と小さく書いてありました。
 パラパラとめくっていくと、文字がぎっしりと書かれているページがあって、私は、そこに書いてある文章を読んでびっくりしてしまいました。そこには、息子が日頃考えていることや、将来の夢が書いてあったのです。
 嬉しくて、盗み読みしたのも忘れて、つい息子にいってしまいました。
「素晴らしい文章だねえ。お母さん、感動した。」
「ええっ、読んじゃったの? 思いついたときに忘れないように書いておくんだ。」
 何も考えていないような顔をして、実はこんなことを考えているんだ。おもわず息子の成長を垣間見たような気がしました。
極めつけは、卒業式で読んだ「答辞」です。原稿用紙8枚にわたって書かれたその内容は、圧巻でした。会場にいる先生や卒業生や父母たちが、ハンカチで涙を拭いている光景を、あちらこちらで目にしました。
「お母さんの読み聞かせもまんざら無駄ではなかったねえ。」
卒業式の後、読み聞かせのことが話題になりました。
『ミッフィー』の絵本を読むとき、なぜか私が奇声を発して読んでいたのも、『からすたろう』を読むとき、ある場面に来ると、私が必ず言葉に詰まり、その先は泣きながら読んでいたことも、息子はちゃんと覚えていたのでした。
「お母さんの読み聞かせ、毎晩楽しみだったよ。絶対にぼくにとって役に立っているよ」
 息子からこの言葉をもらうまでに、十年の月日が必要でした。
2007-12-04 更新
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