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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.199 日向山村の狩猟習俗4
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
狩猟神コウザキ

 コウザキや山の入り口にある山の神に神酒を捧げるとその日の猟が多いという。打越地区では狩に行くときに、「奥山三千三百三十三体、中山三千三百三十三体、下山三千三百三十三体のコウザケ様に獲物どっさりくだされ」と唱えて猟のあらんことを祈る。
 これについては、現在もその日の猟仲間リーダーが入山するとき必ず神酒をあげ、言葉は発しないで猟のあることを願う。
 狩に詳しい猟師2、3人が先発し、草木の食い荒らし痕を見つけ、そこに残っている足跡で昨夜か一昨日かそれ以前かを見分け、さらにウヂ(猪の通り道)を調べ、足跡がなければそのカクラ(猟場)に猪がいると判断する。猪はカクラからカクラへの移動は道筋が決まっている。
 銀鏡では獲物を発見したとき、獲物を待ち伏せるマブシは山の神に対して「獲らせてください」とか「獲物を獲らせていただければ神楽を舞ってさしあげます」などと唱える。

 コウザキはコウザケともいい神崎、甲崎、幸崎、講崎などの文字をあてる。猟師信仰の中心となっているがどういう神か明確な説明は得られない。一般的には狩猟に対して特に呪力を持つ山の神というような定義が妥当のようだ。

 銀鏡地区には射手ノ三郎、取手ノ三郎、荷負ノ三郎、柴ノ三郎、オダトコ三郎、マナバシ三郎、マナ板三郎の七神崎が屋外に祀られている。御神体は15cmから30cm位の自然石、それ以外には何もない。猪が獲れたときは必ず心臓または肝臓を七つに切り串に刺して参る。
 銀鏡地区では狩行司は狩猟解禁前に七コウザケに参拝し、御幣を立てて祭りをする。猟期が終わるとき奉斎としてコウザケ狩を行い、このとき獲れた猪の心臓(マルという)と耳を七つに切って串に刺した七切れザカナをあげる。

 東米良では、999匹を獲った猟師は1,000匹目には、自分が連れている犬から命を取られると言われ自分の猟犬でも殺す。その殺した犬は犬コウザケとして祀る。(『民俗資料選集狩猟習俗供)

 椎葉村尾前では、コウザキは猪に殺された猟犬、タテニワなどのとき猟師の誤射で死んだ猟犬は、丁寧に葬り霊を慰める。葬った所に小さな自然石が立て、狩猟で山に入るとき小幣と神酒を持参し、コウザキの所を通りかかると幣を立て神酒をあげて、諏訪の祓を唱えて豊猟と安全を願う。椎葉村では猪の心臓をコウザキという。
 東米良では猟師の誤射で死んだ犬は地上90cm位に2m程の棚を作り、犬のしかばねを乗せ野ざらしにして、後は何もしない。祭りなどすると犬の魂がいろいろ禍を及ぼすといい、椎葉村と扱いを異にする。

 西米良村では死んだ猟犬を埋め、その霊をコウザキといって尊崇する。猟師は狩の前コウザキに豊猟を祈り、獲物があると猪の心臓を七切れにして奉納する。そのとき「一コウザケ、二コウザケ、ナナオナナサコ、七社の稲荷大明神、イテノ三郎、オイテノ三郎、この山のシシを獲らせてもらうゆえ、この山の神祝い、今日の日におまつりを申す」と唱える。

 椎葉村大河内大藪には、11か所にコウザケを祀っている。獲物があると心臓を七キレに切り、それを竹串に刺し一番近い所のコウザケに供える。また毛バラと言って猪はたてがみ、鹿は尻尾の毛を切り、長さ15cm位に切ったウツギの枝に、5cm位の幅に毛を挟んだものをコウザケ石の前に立てる。このとき「ノサリきった獲物を授けたもりめせ(運よく獲ることができた獲物を献じます))」とコウザケに頼む。大河内は椎葉村であるが西米良村を流れる一ツ瀬川の最上流部に位置し、風俗習慣は米良一帯と類似する。
2020-02-12 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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