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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.198 日向山村の狩猟習俗3
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
オコゼ伝承
 山の神は女であると信じられている。そのうえ猟師たちは醜い顔の女神と考えており、山の神自身も自分の醜さを自覚し、魚の中でも姿がグロテスクなオコゼを見ることを喜ぶと信じている。それで不格好な海オコゼを豊猟のお守りとして大事にしている。
 オコゼはカサゴ目に属するオコゼ類の総称、不猟のとき山の神にオコゼを見せると獲物を獲らせてくれると信じられている。オコゼは何枚もの和紙に包んで保持し狩猟のとき持参する。不猟のとき「オコゼを見せますので猪を獲らせてください。」と言ってオコゼを包んでいる和紙を一枚はぎ、猟がないとまた1枚はぐ。そうすると獲物があるという。

椎葉村のオコゼ伝承
 昭和62年オコゼについて椎葉村那須儀三郎氏から次のような話を聞いた。
「昔、ウリュウシ(大猟師)とコリュウシ(小猟師)がいた。ある日ウリュウシが狩に出かけ、狩り場に行く途中、道端にうずくまっている女に出会った。女は「お産をまじかにひかえ腹が冷え痛くてたまらん。腹を温めるようなものを食わせてくれ。」と頼んだ。しかしウリュウシは「何もない。」と何も与えなかった。三日後コリュウシが狩に行くと、ウリュウシのときと同じように女が道端にうずくまり、同じように「温かいものを食べさせてくれ。」と頼んだ。コリュウシは火打ち石で火を起こし、神酒を温めて飲ませた。女はお礼に獲物が獲れることを約束した。ウリュウシはその後まったく獲物が獲れなくなった。千日たっても猟がない。道端にうずくまっていた女は山の神であった。いよいよ明日が大晦日という日、ようやく鹿一頭をしとめ妻子を養うことができた。ウリュウシは「千日かかってやっと鹿一頭」と嘆いた。他方コリュウシはミアノに罠三丁、谷間にアセリ三枚を仕掛け毎日獲物が獲れた。
 コリュウシの妻は獲物売りに毎日町へ出かけた。商売に熱中した妻は自分を振り返る余裕はなかった。ある日いつものように町に獲物を売りに行く途中、橋を渡って、ふと川面に目をやると自分の顔が水面に映っているのを見た。なんと髪が全部抜け落ちており、あまりの恥ずかしさと醜い顔に驚き、コリュウシの妻は川に飛び込んで死んだ。その体は海に流れ海オコゼになった。」という。

西米良村のオコゼ伝承
「狩人が殊の外にヲコゼを珍重し、狩の守りとしてゐたことは、往々この徒の秘蔵する狩の巻物に、ヲコゼの機嫌を説いたものゝあることによって推察せられる。以前、此類の巻物の見本を、後狩詞記の巻末に附録として附けて置いたが、最近にも倉田一郎君が、椎葉からあまり遠くはない児湯郡西米良村で、同じやうな巻物を寫して歸った。(略)話者は、土地でホッドンと云ってゐる、神主である。此話では、山の神の寵を失ふ方の狩人の名を、東山の大獵師と云ってゐる。昔、東山の大獵師が、我に獲物を與へ給へと祈つて、七日七夜の行をした後に、大ブチ、小ブチと云ふ二人のセコをつれて山へ獵に出掛けた。すると山中でお産をした女に出遭つたが、彼は血の汚れを忌んで、食物を乞はれても與へず、そのため三十三日の間獲物を得ることが出來なかつた。漸く三十三日目に獲物があつたが、それは背筋に三筋の毛ある、何とも知れぬものであつたと謂ふ。一方、西山の小獵師は、産の血の汚れを嫌はず、女を助けたが、其女と云ふのが山の神であつたから、これは山の幸を授けられることになつた。二人の獵師は行逢つて事の次第を語り合ふ。さうして、初めて先の女の山神であつたことを知つた大獵師は、悔いて狩を癈するに到る。そこでセコの大ブチは山に入つて山ヲコゼとなり、小ブチは海に行つて海ヲコゼになつたと云ふのである。」(『西米良村史』)

資料『西米良村史』西米良村
2020-01-14 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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