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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.140 人生の岐路に立った時
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 人生において、私たちはたびたび岐路に立たされ、選択を迫られます。私も、何度もそんな岐路に立ち、そのたびに一生懸命考え、選択をしました。記憶にあるもので一番古いものは、就職か、進学かに迷っていた大学4年生の時です。私は、小学校の教師になりたくて教育学部に入学しましたが、「心理学」という学問に出会い、この学問をもっと勉強したいと思いました。教員免許を取得しましたが、教師の道に進まず、大学院に進学したいと思うようになります。
 教員採用試験を受けるか、大学院の入学試験を受けるか。
 私はそれまでの人生で、両親に逆らったことはありませんでした。大学の選択さえも、「地元の国立大学を」という両親の希望に従いました。そんな私ですし、その当時、父は病気で入院していましたから、「教員採用試験を受けずに、大学院の入学試験を受けたい」という希望を両親に言い出すのに、かなりの勇気と時間が必要でした。
 しかし、心理学を勉強したいという思いはますます強くなり、私はついに父に打ち明けます。父は、「いつも素直に親の言うことを聞いてきたおまえが、そこまで思っているのはよほどのことだから、おまえの好きにしたらいい」そういってくれたのでした。
 大学を卒業し、大学院の試験を受ける準備をするために、専攻科に進学しました。そして、その在学中に、父は亡くなったのでした。私は大学院進学を断念し、翌年、教員採用試験を受け、小学校の教師となりました。

 思い返すと、岐路に立ち選択するという機会は、人間として成長するための「試験」だったような気がします。そうして、選択を迫られ、悩んで決定し、どのような道を選んだとしても、そのような岐路に立つ機会を与えられたことは、おおいに喜ぶべきことだと思うのです。

 子育てにおいても、子どもの進路について、親として悩むことがたくさんあると思います。そして、子ども自身も親の知らないところで、たくさん悩んでいるのだと思います。息子がそんな岐路に最初に立たされたと思えるのは、幼稚園の年長さんになったときでした。
 息子が通っていた幼稚園は縦割りのクラスで、ひとつのクラスに年少児、年中児、年長児がいっしょにいます。年長さんになった子どもたちは、自分が面倒を見たいと思う相手を、年中さんと年少さんの中から選びます。そうして、幼稚園にいるあいだ、その相手の面倒を見るのです。体が大きくてケンカも強かった息子は、「お世話係りなんていらない」と、一生懸命お世話をしようとする優しい性格の年長さんから逃げ回っていました。

 さて、息子の幼稚園は、5クラスあるクラスごとに、年長児の中から「隊長」が選ばれます。その隊長は、クラス全体を統括する立場にあります。こうして、縦割りのクラスは、見事に縦の社会が形作られます。時間割のない自由に何でも好きなことができる幼稚園でしたから、自然とそんな形になっていったのでしょう。
息子の幼稚園は国立大学の付属幼稚園で、卒園を控えた時期になると、年長さんたちは小学校の入学試験を受けなければなりません。試験のその日、年長さんたちは受験のために隣接する小学校に移動します。年長さんたちがいっせいに幼稚園からいなくなるのです。残された年中さんと年少さんたちは、その瞬間から年中さんのひとりをいっせいに「隊長」と呼び始めます。それが、これまでの隊長から、新しい隊長への交代を意味するということです。つまり、この新しい隊長が決まる瞬間までに、子どもたちは幼稚園生活の中で人間観察をしながら、次の隊長を誰にするのか着々と心積もりをするのだということです。
担任の先生は、息子が「いちご組隊長」に選ばれたこの歴史的瞬間までの流れをそんなふうに教えてくださいました。そうして、息子は、以前のコラム(137)でも書いたように、いちご組を統率して、これまでの園児たちがやらなかったような遊びやいたずらをしでかすわけです。

 ところが、隊長になってしばらくしたある日、息子は「お母さん、ぼく、もう隊長をやめる」と言い出しました。そんな決心をするなんて、よほどのことがあったのでしょうか。その理由をたずねると、「みんなをまとめるのに疲れた」というのです。いざ隊長になってみると、いろいろと大変だったのでしょう。息子は、隊長とは力づくだけではつとまらないということを悟ったようでした。そうして、「隊長」という肩書きを捨ててから、息子は実に今まで以上にいきいきと幼稚園生活を送ることができるようになりました。肩書にがんじがらめになり、悩んでいたのは息子だけで、ほかの子どもたちにとって実質的な隊長であることは変わらなかったようでした。
「ぼくは隊長をやめたのに、みんなぼくを隊長とよぶよ」そういいながら、なんだか嬉しそうでした。そうしてまた、隊長に復帰したのでした。

 そうした時間の流れの中で、息子は、クラスのみんなをまとめるために必要な能力はなんであるか? 力が強いだけではだめだということ、人間的な魅力や信頼されることで、クラスのみんなはついてくるのだと理解したようでした。
 集団の先頭に立ってその集団をまとめる、幼稚園時代に息子が学習したことは、その後の息子の人生に大いに役立ってくるのです。
(来月に続く)

※今月は息子の幼稚園時代の写真を集めてみました。
2019-10-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)




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