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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.190 比木神社のお鈴の口開け
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 「口開け」、「口明け」とは物の口を開くこと。また、その時。転じて物事のはじめ。最初。くちびらき。かわきり。共同利用している山林や漁場に採取のため入ることを解禁すること(『広辞苑』)などとある。

 かつて、宮崎県内では正月2日、4日または11日に行う儀礼的な作業を「仕事始め」「口開け」などといって、農家では早朝田畑に行き一鍬二鍬打ち、豊作を願ってそこにユズリハやウラジロを立てた。これを「田の口開け」といい、林業関係者はその年の恵方の山に行き小さな常緑樹を1、2本切って作業安全を願い「山の口開け」をした。漁師は港や周辺、定置網まで船をだす「乗り初め」を、商人はその年最初の出荷である「初商」を行い商売繁盛を願った。鍛冶師や桶師などの職人も午前中簡単な作業を行い、その後神酒などを飲んだ。
 生業だけでなくその他にも、例えば猟師は空に向かって撃つ「鉄砲の口開け」を行い、その年の豊猟と安全を祈念した。

 神楽が盛んな高千穂ではその年最初の神楽奉納を「太鼓の口開け」「神楽の口開け」といって旧暦1月11日に行なう。
・太鼓の口開け:神楽の舞い初めをする。(高千穂町三田井)
・太鼓の口開け:神楽関係者が集まって新年の挨拶をし舞い始めをする。その年の「明き方」に太鼓を向けて打つ。(同町下野)
・太鼓の口開け:神楽の舞い初めをする。(同町上岩戸)
・神楽の口開け:午後から神社で神楽を始める。(同町押方)
・神楽開け:その年最初の神楽を舞う。(同町五ヶ所)
・太鼓の口開け:八幡神社で神楽を舞う。(北方町美々地)

 平成31年2月9日木城町比木神社で恒例の「お鈴の口開け祭」があった。鈴は神楽で必ず右手に持ち舞いながらシャンシャンと鳴らす採物で、「お鈴の口開け」とは新年になって最初に神楽を舞うことを意味する。高千穂町など行われる「太鼓の口開け」と同じで、比木神社では太鼓ではなく鈴ということである。2月9日は旧暦1月11日に当たり、高千穂町の「太鼓の口開け」と同じ日に行われる。

 午前10時、氏子惣代や神楽保存会、氏子など数十人が拝殿にあがり、宮司による神事続いて神楽が奉納された。まず、二人舞の宮神楽で舞殿を祓い清め、そこに鬼神(1人舞)が降臨して舞う。次に手力(1人舞)が勇壮に舞い、最後は2人の成就舞で舞い納めた。
 神楽奉納と並行して本殿で「人形(ひとがた)大祓神事」が行われた。人々は過去一か年間に、知らず知らずの間に過ちを犯し、その罪穢を祓い清めて、身も心も清く明るい境地にかえるというもので、宮中を始め全国の神社で行われる神事。

 比木神社氏子は紙製の人形に氏名と年齢を書き、身体を撫でて次に3回息を吹きかけ袋に入れる。氏子惣代はまとめて「お鈴の口開け祭」の大祓に提出、宮司は数百人の名前一人ひとりを神前で読み上げ、凡そ1時間清め祓いを行なう。人々は大祓によって一切の不浄を清め本年の安穏を願う。

参考資料:「宮崎県緊急民俗文化財分布調査」宮崎県教育委員会 小野重朗編『宮崎県史叢書 宮崎県年中行事集』宮崎県
2019-05-14 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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