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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.112 日向路の伊能忠敬(2)関係藩の対応
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 伊能忠敬の測量は江戸幕府の事業であったため、一行が通過する各藩はその取扱いに大層気を遣っている。延岡内藤藩文化7年(1810)2月の記録では、藩内を測量で一行が通過する2か月も前から、宿泊地や昼食場所、賄い人など細かく役人に指示している。宿泊地と昼食場所の一部を示すと、宿泊初日は直海(北浦町)、昼食は同村浜、2日目宿泊地は宮野浦、昼食は市振、3日目は古江、昼食地は阿蘇、4日目は熊野江、昼食は島野浦などである。宿泊する直海について、宿となる家が小家のため、家内の者は家を明け渡し、御用品は外庭に仮番所を造って保管した。賄いは隣家を押えている。測量で歩く磯には道を拵え、歩くに困難な岩場は飛び石を設置し、舟を準備する(大分県国東)、磯辺での昼食は9尺に5間の仮小屋を2軒建てる(大分県佐伯)など、通行する集落内や町場は見苦しく無いように指示、役人の配置など配慮をしている。この他に藩は、伊能と坂部に金300疋宛と真綿300目宛、下部など3人には金100疋宛と鼻紙7束宛、内弟子3人・侍3人には銀3両宛と鼻紙5束宛、共廻り7人には銀1両宛と鼻紙5束宛を一行それぞれに金品を与えており、1行は18人だったことが分かる。

 4月18日は高鍋城下から測量を始め、午後2時頃佐土原城下油屋友吉の家に着く。すると佐土原藩主の使者富田権右衛門が挨拶に来訪し、酒や肴を分家島津式部の使者が挨拶に訪問し、蝋燭を贈る。他に佐土原用人米良荘之進ほか1人が玄関で見舞いを述べ、横目の神宮寺孝兵衛ほか11人や商人3人と庄屋2人が挨拶に来た。また、今後測量する飫肥藩からは目井津の黒木屋、城ヶ崎の和泉屋、飫肥の大庄屋、小庄屋が、延岡領宮崎からは役人2人が挨拶に来ている。この日高鍋藩の大庄屋、庄屋の3人と用達3人が宿まで送って来ている。

 一行の宿泊は庄屋とか商人の家が普通で、本陣と脇宿の2軒が提供された。4月22日の宿泊は飫肥藩の城ヶ崎、ここは赤江川(大淀川)河口に栄えた商人町で、太田・南村・小村の3豪商が町を取り仕切っていた。赤江川上中流は薩摩藩都城(都城市)はじめ幕府領本庄(国富町)、薩摩領高岡(宮崎市)などが位置し、林産物や農産物が豊富で、これらは城ヶ崎から上方へ移出された。これら経済的背景のもと、飫肥藩内第1の商人町城ヶ崎は大いに発展、商人による自治も認められ商人の間には俳諧を嗜むことが流行り、豊かな経済に支えられた庶民文化が一つのステータスとなっていた。

 城ヶ崎での本陣は梅香屋文平、脇宿は和泉屋善右衛門であった。3豪商の一つ南村家は土佐梅軒の出身で代々「梅」を俳号に用いており、屋号の梅香屋は南村家と判断する。また南村初代は大坂泉州から城ヶ崎に来たいうことから屋号を和泉屋を名乗ることもあり、伊能らの宿泊は南村本家と分家が引き受けたと思われる。

 一行の食事について測量日記には記載がないが、文化9年3月16日付、延岡内藤家文書の「測量方御役人通行ニ付伺」に「上之通内弟子迄一汁三菜、下通侍以下一汁二菜、侍以上吸物一肴三種、下吸物一肴二種」と伺っている。伊能から内弟子までは主食と一汁三菜、それに吸物と刺身三品で大層な御馳走である。
各藩からの贈り物も酒や鰹節、蝋燭、半紙などであるが、延岡藩は産物の他に金子も贈ったは先述した。贈り物があったとき日記には「即受納」と記している。

貞享2年(1685)7月、水戸藩士佐々介三郎と丸山雲平が史料収集で飫肥願成就寺、鵜戸山仁王護国寺、都於郡黒貫寺(日向国を訪ねている。黒貫寺に逗留中佐土原藩家老中が泡盛を徳利で遣わしたが進物不要と返している。二人は侍で儒学者、伊能忠敬は元商人で天文学者、この違いが受納と断るの違いとなったのか。

※大分県国東や同県佐伯は延岡内藤藩の領地であった。

伊能忠敬『伊能忠敬測量日記』宮崎県総合博物館、内藤家文書「万覚書」、『宮崎県史料第六巻佐土原藩島津家日記(二)』宮崎県立図書館



2019-03-26 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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