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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.186 綾の碁盤・将棋盤づくり
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 宮崎県綾町は宮崎平野の西端に位置し、人口7,345人(2015年)。主たる産業は農業、数十年前から有機農業に取り組んでいる。安心・安全の野菜や果物、これらを加工したジャムやドレッシングは全国的に人気がある。

 町の西方には常緑広葉樹いわゆる「綾の照葉樹林」が広がり、そこには照葉樹林を鑑賞する吊り橋が架かる。また、町内には陶芸やガラス工芸、染織、木工・竹工など40もの手づくり工房が存在し、特色ある飲食店も多数ある。さらに三月節供の頃には商店街の各店に「ヒナ山」を飾付け、秋季は「綾照葉樹林マラソン」「綾競馬」などを催し、ユニークな町づくりは県内外の関心を呼び多くの観光客が訪れている。

 豊かな樹林には棋士の世界で有名な「日向榧(ひゅうがかや)」と呼ばれる榧を産出。「日向榧」で作った碁盤・将棋盤は棋士たちにとって、一度は「うってみたい」「指してみたい」という憧れの碁盤・将棋盤であるという。理由は「色がよい」「香りがよい」「石・駒を置いたときの音が心地よい」「弾力がある」など、「日向榧」の右に出るものはないという最高の材と言われる。

 綾町に原材料取得から盤づくり、販売まで一貫して行う熊須碁盤店がある。創業は昭和30年代初期、以来3代にわたって手作りにこだわり、その技術・技法はプロ棋士に高く評価されている。2代目健一氏は平成4年宮崎県伝統工芸士に認定され、平成18年には卓越した技能者として知事表彰を受けている。

 原木は銘木市や県内外の森林組合・営林署などの木材市で、樹齢200年以上の材から形状など見極めて入手し、それを55cm程の長さに輪切りにする。キズや割れ、節などを避けて慎重に木取りをするが、最も良い盤材は「四方柾(しほうまさ)」という四面が柾目であるもの、次が「天地柾」で表と裏面が柾目のものである。以下「天柾」「板目木裏」「板目木表」の順に切りだし、それから5年から10年かけて自然乾燥するが、その過程でヒビ割れしないように盤面に木工用ボンドを5回程度塗り重ねる。乾燥を終えた盤材は、木目を確認しながら手鉋で慎重に削る。次に盤裏中央にヘソを掘る。ヘソとは四角に掘った窪みで、盤の水分を放出し、ひずみや割れを防止し石を置いたときの響きをよくするなどの機能がある。次にニカワを塗り、溶かした白蝋を布につけ盤面を擦る。次の作業で升目の線が消えたり滲んだりするのを防ぐためニカワを塗りさらに胡粉を塗る。

 一連の作業で最も気を使う作業は盤上の升目の線引きといわれる。日本刀の刃に漆を付け、刀の反りを活かした線引き、息をとめ精神を集中し慎重にしかも一気に漆を盛っていく。最後は脚づくり。重厚な曲線美や盤面の木目との調和を考慮しすべて手彫りで行う。形状はクチナシの実、外部からの「口出し(口無し)は無用」の意とか。「脚植え」が済むと盤全体が鏡のように写り込むまで布で磨きあげる。

参考資料:「宮崎県伝統工芸士認定推薦書」添付資料 熊須豊和氏・健司氏より聞き取り
2019-01-08 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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