宮崎みんなのポータルサイト miten !でグルメ・イベント等の生活情報をチェック!
働いてミテン
ユーザー名:
パスワード:
トップ | 無料会員FAQ | サイトマップ | リンク集 |
すべて 食べる
遊ぶ 買う
キレイ 暮らす
健康 医療・福祉
でかけてmiten
買ってミテン
働いてミテン
ミテンの本棚  >  みやざき風土記

みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.184 荘内町鍛冶職人の初仕事
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 かつて、元日(正月1日)は日本国民の殆どが仕事を休み、祖霊を祀り歳徳神(正月様)を迎えた。百貨店や近くの商店も閉店、映画館も開いていなかった。
 1月2日は「仕事始め」といい、農家は「鍬入れ」、商人は「初商」漁師は「船祝い」、山村では「二日山」などといい軽く仕事をした。
 「仕事始め」は年の初めの生業開始儀礼をいい、仕事によりさまざまな形をとっているが、共通するのは年の初めの労働に大きな意味を持たせ、模擬行為をすることにより予祝の儀礼としていることであるという。

 宮崎県内の「仕事始め」の例を挙げると
・五ヶ瀬町鞍岡では「牽き緒ない」をした。牛馬の引き綱に使う縄をなう。左縄で長さ6mくらいにない瓢箪やだるまの形に作り上げ、柱などに飾る。この牽き緒は田植えの時下ろした。
・北方町曽木では「鍬入れ」をした。その年の明きの方の田に行き鍬で土を少し掘り、ユズリハとウラジロを置き、その上に餅を供えた。
・北浦町市振では「乗り初め」をする。船主は「船霊(ふなだま)」に神酒と肴を供え、その後港に来ている人達にミカンを撒く。それが終わると所有する湾内の生簀まで船を進め、魚にえさを与える。
・椎葉村日添では田に行って鍬で耕す真似をし、トビ紙を付けたユズリハを立てる「鍬入れ」をした。そのとき「これより明きの方に向かって蒔く種は、根太く葉太く虫ケラの喰わんように、一粒万倍、千俵万俵おうせつけやって給うれ」と唱えた。
・西郷村の商家では「初商」を行った。店は初商の商品をトラックに積んで売り先に届けた。
・木城町中之又では「山の口開け」といい、明きの方の山に行きコザレ(小仕事)をした。カズラテゴ(背負い籠)に入れた祝い餅を山の神に供え、樫の木を1本伐り、切り株に餅を供え注連縄をひき1年間の安全を祈念した。
・宮崎市木花の農家は朝暗い内に起きて「口開け」をした。牛馬を引き出して運動をさせたり、唐箕を回したり鋤や鍬を動かして「今年もどうぞよろしく」と言った。
・高岡町上倉永では「仕事始め」といい、朝薪運びや麦の土入れなど簡単な仕事を少しした。
・三股町長田では「初山」といい、朝3時頃まだ暗い内に起きて山に行き薪とりを少しした。
・えびの市大河平では「フッカヤ(二日山)」といい、山に行って木を伐り形式的な仕事始めをした。
・南郷町目井津では船主・船子一同、鵜戸神宮や榎原神社に参拝し、航海安全と豊漁を祈念する「船祝い」をした。
・串間市大納では「山の口開け」といい、山の神にヨキやナタを供えユズリハを立てた。そのとき「年の初めにナタ取りて、万の宝我ぞ伐り取る」と唱えた。

都城市庄内、前田秀晴鍛冶屋の仕事始め
 朝、炉に火を起こしミニチュアの鉾と鎌、鉈を打った。打った3点は鉾を中心に鎌が右側、鉈を左に組み、幣・ウラジロ・ユズリハを添えて、鍛冶の神金山彦命を祀る鍛冶場内高所に供えた。そこには過年に仕事始めに打った鉾・鎌・鉈3点が9組供えてあった。
 正月2日の午前に「鍬入れ」や「初商」「船祝い」「二日山」などの仕事始めを終えると主人は風呂に入った。これを新年最初の風呂(元日は風呂に入らない)だから「初風呂」、朝に入るから「朝風呂」、その他「若湯」「若風呂」「フッカブロ(二日風呂)」などと言い、その後焼酎などを飲みゆっくり過ごした。

※大型スーパーやデパートなどが元日も開店し、福袋など大々的に売り出すようなったのは10数年前からだろうか。除夜の鐘の後初詣し、朝、家族揃ってお節料理を食べた後特に何もすることがないので、大型スーパーやデパートなどの元日開店は大いに受けている。最近、元日を昔のように閉店と考える経営者がいるようだ。臨時雇いやパートの主婦にとって一家揃っての「朝祝い」をする元朝は休みたいという要望があり、働き手の減少により交代要員の確保が難しく、思い切って閉店にしてはと考えているようだ。
2018-11-13 更新
2018 | 02 | 03 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2017 | 02 | 03 | 04 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2013 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2007 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
(1) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 » 
PopnupBlog 3.0 Denali-1225 created by Bluemoon inc.  
e87.com(株式会社千趣会イイハナ)
富士通パソコンFMVの直販サイト富士通 WEB MART