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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.180 鹿野田潮神社の和泉式部伝説
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 西都市鹿野田神社境内に潮がわきだす塩ノ井がある。この塩水は霊験ありと信じられ、近郷近在から潮大明神として多くの参詣がある。
 法華嶽で病が平癒した和泉式部には続きがあった。西都市鹿野田集落では次のように伝えている。法華嶽下山の途中、麓に細い流れがあり、渡りかねて暫したたずんでいると、そこへ悪疫に身もただれた醜い乞食風の男が通りかかり、背を式部に向け「背負って渡してあげよう」と親切に言った。余りの汚らしさにこれを断った。すると男の姿は消え失せ、哀れや式部の姿はたちまち元の悪疫の見苦しい姿になった。死ぬより外ないと思ったが、死ぬに死なれず歩くうちに鹿野田の氷室の里に着いた。式部はこの地の潮大明神社に湧き出る潮で湯治することにし、ここに薬師堂を建てて参籠、朝に夕に読経し自らの罪の深さを嘆きつつ、3月3日43歳でこの世を去った。

 日がくれや氷室の里を眺むれば 藻塩の烟りいつも絶えせぬ

 薬師堂は式部墓に近く今も粗末な御堂を残しているが、村人は年に一度仕事を休み薬師祭を続けている。(『都於郡史談』)
 和泉式部は10月5日法華嶽に参籠し、翌年正月15日都に帰った。その後再び日向に下り謝礼のため法華嶽に参詣、帰京の途中鹿野田で俄かに病に臥し3月3日43歳で卒せしを幸納という所で荼毘に付し、桜を植えて標とした。また、堂を建てて地蔵を安置し式部の形代とし、遺骨は氷室の里に葬った。(「式部由来記」)

『児湯郡佐土原人の説に、佐土原鹿野田村、氷室山の麓に式部塚とてあり、その山の子方(北)十五町(1.6)ばかり、幸納(ゆきのう)といえる畠中に一宇の地蔵堂あり、これ式部の形代といい、堂の丑方(北北東)三丁(330m)ばかりの林叢あるを、式部の荼毘した所なりという、
 鹿野田村は毎年三月三日に式部忌日といって祭祀を行うとぞ、また氷室山の里に潮妙見社あり、鳥居の前に潮出て満干する井あり、東の方海を隔てる二里(8km)ばかり、また鹿野田村幸納の原田某笥蔵の式部由来記に、和泉式部は十月五日(年号記さず)法華嶽に参籠し、翌年正月十六日都に上り、その後また日向に下り、法華嶽へ礼謝のために参詣し、上京のとき鹿野田村で俄かに病に臥し三月三日、四十三歳で卒せしを、幸納という所にて荼毘し、桜樹を植て標とし一宇の堂を建て、地蔵を安置して式部の形代とす、遺骨は氷室の里に葬ると(略)』(『三国名勝図会』)

 鹿野田神社近く個人宅の一角に和泉式部の墓と伝える、刻字のない1m弱の自然石が祀ってある。そこより50m程はなれた所に薬師堂がある。堂の脇に野芝の生えた然程広くない広場があり、そこで鹿野田の人々は毎年11月の日曜に「式部講」と言って、家族揃って薬師様に参りその後持ち寄った重箱を広げ皆で懇親を深める。また「氷室」や「幸納」の地名についても潮大明神を祀る一帯を「ひむろ」、墓石の周辺を「この」と言い伝えている。
 『三国名勝図会』が天保14年(1843)に編さんされたことを考慮するに、式部伝説はそれ以前から伝えていることになる。

参考資料:『三国名勝図会十九』、大町三男『都於郡史談』
2018-07-10 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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