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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.125 大きな星がひとつ、宇宙から消えた日
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 5月2日、絵本作家のかこさとしさんが亡くなりました。92歳でした。大好きな作家さんでした。「お薦めの絵本は?」とたずねられたら、必ずかこさんの本を推薦していました。息子にも「おたまじゃくしの101ちゃん」や、「からすのパンやさん」、科学絵本の「地球」「宇宙」など、たくさんの本を読み聞かせした記憶があります。
 20年以上前に、宮崎に講演にいらっしゃった折に、主催者のご好意で、いっしょにお食事をして、いろいろなお話をうかがう機会がありました。私は、いくつか質問をしました。内容をはっきりと覚えてはいませんが、「旺盛な創作上の意欲はどこからわいてくるのでしょうか?」というような質問だったと思います。そして、「好奇心を持つこと」と答えてくださったように記憶しています。とても優しいまなざしの、永遠の少年のような方でした。
 はるか上の方から、私の行く道を明るく照らしてくれていた光が、そんな大きな星がひとつ、宇宙から消えてしまったような心持ちです。今、この文章を書いていても、涙が溢れてしかたがありません。
 92歳になって、それでもなお、死の直前まで原稿を書き続けていたかこさん。片方の視力を失い、もう片方の目も視野がほとんどなくなりながら、腎臓の持病と戦いながら、子どもたちにメッセージを届けたくて、その生涯の最後まで絵本を書き続けていたかこさん。
 その姿を特集したテレビ番組を見ながら、ただただ涙を流すだけの私でした。
 そして、常にかこさんが心していた言葉、「こどもさんをあなどるな」、それを私はかこさんからの遺言として心に留めました。
 奇しくも、私は今年、2人の画家さんの力を得て、2冊の絵本の原稿を仕上げました。児童文学の作品を書いている私にとって、絵本の原稿を書くという作業は、また、まったく別の思考を必要としました。自分のメッセージをひたすら文章に込めて書いていた私にとって、絵本は私に、「子ども目線」というものを意識させました。まさに「こどもさんをあなどるな」ということを実感した時間でした。
 かこさんが、仕上げた原稿を校正しながら、「これではだめだ。最初からやりなおし」そういっていたのは、死の、ほんのひと月たらず直前のこと。もっと、もっと、わかりやすい言葉を選ばなければ子どもたちには伝わらない、それが原稿に駄目出しをした理由でした。かつてのコラム、『頂点を極めた人たちに共通すること』で引用した「ど真剣に生きる」ということ。かこさんの生き様は、まさに「ど真剣」そのものでした。

 さて、先月のコラムにおいて、「がまんすることができる」という子どもたちの行動が、その後のよりよい成長の手助けとなると書きました。すぐにご褒美を手にできなくても、がまんすることによって、より良いご褒美を手に入れることができるだけでなく、がまんするという行為そのものが、学校の成績のみならず対人的スキルまでの向上させるということです。そんなことを考えると、子どもの要求をすべてのんでしまうのではなく、がまんをさせたり、時には厳しく突き放したりすることも必要になってくるかもしれません。私自身を振り返ると、還暦を過ぎた現在でも、人から苦言を呈されたときの方が、より成長できているような気がします。もちろん、苦言を呈されたときは、ショックを受けたり、腹が立ったりするかもしれませんが、そのことによってもたらされる「気づき」があるのです。もしその気づきによって行動を修正する機会が与えられなかったままだとしたら、その後の成長する機会もなかったということなのです。そうして、さまざまな場面で気づきの機会があり、成長するチャンスが与えられることで、人間は今よりもっと素晴らしい人間になっていけるということでしょう。
「耳に痛い言葉」ほど、ありがたい言葉として受け止められるようになるには、「素直な心」が必要であるし、「強い心」も必要です。だからこその「がまん」を学習することが大切なのです。がまんをすることは、より良い結果をもたらす。その時は苦しいけれども、自分の意志でがまんをすることによって、より良い結果が自分に返ってくる。そうして、苦しさや辛さを喜びに変えることができる。
 苦しさ、辛さ、悔しさ、寂しさ、そんな感情をマイナスにとらえるのではなく、しっかりと受け止め、それらがどこから来るのか、どうしたらクリアできるのか、自分の力で考え、そして、乗り越える。そうして初めて、乗り越えた先に見えてくるものがいかに素晴らしいものであるかがわかるのです。
 現代社会は、情報に溢れて、すぐにでもほしい情報が手に入ります。また、便利な道具もたくさんあり、コミュニケーションの方法も多々存在します。しかしその便利さとひきかえに、私たちの心は次第にもろくなっているのです。

 東京都にある月読寺で、常に「瞑想禅」に取り組んでいる僧侶、小池龍之介さんはいいます。「人はもっと、孤独や寂しさ、苦痛を大事にしていい。ここから心の落ち着きが生まれるのだから」。そうして、「存在意義に執着すればするほど、存在は薄くなり、存在意義など求めなければ、独特の存在感が備わる」として、「打たれ強さ、心の落ち着き、柔軟さ。これらをもっている人は、自然と品格と存在感が備わります」といっています。
 ひとりで黙々と文章を書いていると、さまざまなことが頭に浮かんできます。「かこさとしさんという大きな星」を失った悲しみは言葉では尽くせませんが、こうして、心の中を文字にしていると心の整理ができ、本当に癒されるのです。文章を書くことは私の天職。私も死ぬ直前までこうして書いていたいと思っています。
2018-07-02 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)

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