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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.175 裸祭りでのみ舞われる柴舞
前 田 博 仁 ( )
 宮崎県木城町の比木神社では毎年11月14日に裸祭りが行われる。祭りは「裸参り」と、フンドシ姿で禊場(みそぎば)と神社の往復を「ホイホイ」と掛け声をだしながら駆けることから、「裸ホイホイ」などと呼ばれる。

 祭り日午後、氏子総代、役員、宮司、神職などが神社に集合して祭りの準備をする。斎場は参道左手の若御子社、その前で祭事や神楽奉納が行われる。清掃や舞処の設置、焚き火の準備、参道の注連縄張り、禊場となる川岸に2m程の間隔で青竹を立て、その間に注連縄を張る。禊の後、川原で身体を温める焚き火の準備、参拝者に振る舞うおでんやぜんざいなどの準備である。

 午後7時頃、本殿で神事、宮司による祝詞奏上や神楽奉納など祭事が行われ、続いて本殿右側の稲荷社・菅原社、左側の一之宮社で神事と神楽(成就舞)奉納が行われる。
本殿と脇社での神事が済むと若御子神社に向かい、そこで神事が行われる。祝詞奏上、玉串奉奠などの後、神楽(宮神楽)が奉納される。
 その後フンドシ姿となった禊参加者(平成29年は16人)は本殿前でお祓いを受け、数100m先の小丸川へ「ホイホイ、ホイホイ」の掛け声を発しながら駆け足で向かう。水辺には注連縄を張った結界が設えてあり、そこで塩を撒いてお祓いし川へ入る。前以て決めてあった深さ1m余の所で静かに肩辺りまで川に浸かり3〜4分後岸に上がる。冷えた身体を勢いよく燃える焚き火で温め、注連縄を腰に結ぶ。往路を引き返し神社に帰りつくと、腰に巻いた注連縄を鳥居柱に結ぶ。禊者数人が若御子社境内の焚き火で出来たオキリ(熾き火)を柄杓に入れ比木神社から200m程離れた「火除け牟田」という石祠の前に置く。

  

 この後、若御子社前で舞われる神楽を見ながら振る舞いのおでんやぜんざいをいただく。舞は「鬼神」と「将軍」それに「柴舞」、柴舞は両手に榊柴の束を持ち二人が互いに向い、柴の先を重ね静かに左右に動かし、90度方向をかえて同じ動きで演じる。比木神楽の演目では見られない動きの少ない優雅な舞。この柴舞は比木神社の冬大祭で奉納される33番神楽の演目では演舞されない。柴舞は裸祭りと彦神社だけで舞われる非常に珍しく、一般には知られない舞である。

 熾き火を「火除け牟田」に奉納する行為は、修験者が熾き火の上を裸足で歩く、火渡り行、柴舞は「湯立て神楽」の名残りではないかと比木神社橋口宮司は言う。

 江戸時代、比木神社は比木大明神(本尊大日如来)といい、境内には真言宗長照寺があり、神仏混淆であった。延享4年(1747)の「高鍋藩寺社帳」によれば、新納鎮守比木大明神、本地正観音。建立の年月不知。神領52石5斗、代宝持院。長照寺は真言宗、本尊薬師如来。建立の年月日開山不明。住持宝持院。天正年中住職法印乗盛。寺領15石とある。
 長照寺住職宝持院が比木大明神宮司も兼ねていたことが分かる。明治以前は神仏習合で寺と神社は同じ所にあった。例えば都農神社には修験宗大泉寺と都農大明神が、鵜戸神宮には仁王護国寺と鵜戸権現があった。明治になり政府は神と仏は分ける神仏分離令を出し、日本全土で寺院と神社は分けられた。比木大明神は比木神社となり長照寺は明治4年(1871)廃寺となった。長照寺は比木神社鳥居の正面、現在駐車場となっている一帯にあったといい、長照寺の井戸が残されている。

 修験者は信者に加持や祈祷、祓い、占いなど行うことが日常的な活動であったし、長照寺や比木神社の祭日には護摩祈祷、火渡り行などを行ったことは十分考えらる。祈祷や祭り当日、禊をして身を浄めることは当たり前のことであった。
 高鍋藩は日照りや長雨が続くと雨乞いや晴祈祷を尾鈴神社や都農神社、比木神社・長照寺などに指示した記録が残っている。
2018-02-13 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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