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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.92 御陵に守られた西郷軍
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 8月15日の和田越の戦で敗れた西郷隆盛は、同日午後3時頃北川俵野の児玉熊四郎宅に、桐野利秋は児玉初治郎宅に宿陣した。凡そ2000人の敗れた西郷軍兵が夕方から夜にかけて集まってきた。南側と西側の和田越や周辺丘陵は戦闘に勝利した官軍が、東は新撰旅団と第4旅団、北は熊本鎮台軍が進出し西郷軍は完全に包囲された。
 16日西郷隆盛は「解散布告令」を出した。概要は「戦に負けたこと、それぞれの隊で降参する者は降参し、死にたい者は共に戦おう、もう幹部や部下の区別はなく、自分が望むよう、自分で判断し行動するように」というものだった。半数の約1000人が降伏し西郷軍は解散、北川俵野が西郷軍の終焉の地となった。
 17日午後10時西郷軍は俵野を出立、明け方可愛岳(えのたけ)頂上に着いたが、可愛岳の北面、屋敷野には三好重臣が率いる第2旅団、烏帽子岳の右には野津鎮雄率いる第1旅団が宿陣していた。
 先発隊は後続隊の到着を待って一斉に突入した。不意を突かれた官軍は四散し、これより西郷軍は祝子川から高千穂へ軍を進めた。
 完全に包囲された俵野の西郷軍に対し官軍は攻撃しなかった。宿陣した16日17日砲弾の1発も撃ってこなかったことに、地元の歴史研究者の間には何故と疑問に思い、官軍の行動は謎とされていた。
 それが近年解明された。宿陣した児玉熊四郎宅裏に瓊瓊杵命(ニニギノミコト)の御陵があったことが砲撃できなかったというものであった。
 西郷軍に従軍した深江権太郎の話を膝の上で聞いていた末子の武夫氏が、西郷隆盛没後100年(1976)に際し便せん17枚に記したのが、「南州翁の足軽籠かつぎ飯炊き 西南ノ役従軍深江権太郎記」である。この記に「可愛山陵(えのさんりょう)の神様が薩軍を御救い下さった事は過言ではないと思います」という記述がある。陣を構えるのには戦略的に不利な俵野児玉家、西郷隆盛や桐野利秋は同家裏に御陵があることを知って敢えて俵野に宿営したと思われる。官軍側もそれを知っていて天皇家につながる陵(みささぎ)に向けて砲撃できなかったのであろう。
 熊四郎の曾孫で西郷隆盛宿陣跡資料館の児玉剛誠氏は、資料館を訪れる人々から「何故この場所に宿陣したのか」と度々質問されていたが答えらず、これで納得したと言われた。
 野口雨情が瓊々杵命の御陵墓参考地を訪れ歌を詠っている。
 “こころして吹け朝風夜風 ここは日向の可愛の山陵”
 西郷隆盛が宿陣した児玉家は、昭和8年(1933)県史跡に指定され、現在は西郷隆盛宿陣跡資料館となり関連資料が展示されている。

参考資料:西郷隆盛宿陣跡資料館展示資料
2017-07-25 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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