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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.166 宮崎県延岡市北浦の船霊信仰(1)
前田 博仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 船霊(ふなだま)は船の守護神として漁師の間でひろく信仰されている神である。船霊信仰は古く『延喜式』神名帳や『続日本紀』にも記されており、今も全国的に信仰されている(『国史大辞典』)。
 御神体は男女一対の人形や銭(今は銅貨や白銅貨に替わる)12文、閏年は13文、サイコロ2個それに五穀、所によっては女の毛髪などを密閉した箱に入れ、船の中央部、帆柱を立てる横木の部分にはめ込んだが、現在は操舵室などに祀る。
 御神体は新造船の船下ろしの日か前日に、船大工の棟梁の手で船に設置されるが、不漁が続いたとき、船主が替わったとき、漂流死体を積んだ後などには取り替えることもある。
 船霊を女の神とするのは全国的で、女がひとり乗り込むことを忌(い)んだり、女が船から降りる夢を見たりすると、船霊が船から去ったとみて遭難の前兆のように怖れる所が多い。
 延岡市北浦町でも、以前は船霊様が嫉妬(しっと)するといい女一人の乗船をしなかったが、養殖漁業が行われるようになり、その漁場である湾内では女一人の乗船を見るようになった。また、「船霊様がイサム」とか「船霊様がシゲル」などといって、航行中に聞こえてくる音を船頭が聞き分け、大漁とか嵐の前兆とする習わしも全国的に広く残っている。これを予兆ではなく、ある箇所を航行する時にはいつも起こる現象のように言っている所もある。
 北浦町でも、無風で暗い夜、漁をしていると船べりであるタナ辺りから「チュンチュン、チュンチュン」とか「チッチ、チッチ」と音がするといい、これを漁師は「船霊様がなく」とか「船霊様がイサミよる」などという。オモカジ(右側)でイサムときは、海上が荒れてくるなど良くない知らせ、トリカジ(左側)でイサムときは豊漁の知らせと喜ぶ。
 不漁が続くと船霊様を替えたり、中古船を買った場合も船霊様を替えたりすることがある。廃船するときは船霊様を焼くか海に流す。恵比須様を祀る祠堂に納める所もある。

 直海の船霊様
 船霊様は地域によって異なり一定していない。北浦町直海の船霊様(御神体)は4cm四方で長さ12cm位の角材をくり抜き、その中に紙の人形男女1対、0.8cm×0.8cm×2cm位の柳の木で作ったサイコロ(2個分のサイコロに墨で目を書き込み、切断しない)、銭12文(寛永通宝12個、12は年間の月数を表わし、閏月がある場合は13)、それに米・麦・粟・大豆・小豆の五穀を和紙に包んで入れる。紙人形は小さく折りたたむ。テンマ船は船の中央部より後方のドウノマに、操舵室のある船は操舵室に祀る。小舟などは櫓や舵などを船霊として祀るところもある。御神体が準備されると、新造船の主帆を支える横木の、舳先(へさき)に向かって左側に、幅一寸(約3cm)高さ三寸の穴を彫って、そこに進水式直前、唱えごとともに船大工の棟梁が安置して密閉した。

引用:北浦町『北浦町史』民俗編、前田博仁執筆
2017-05-09 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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