宮崎みんなのポータルサイト miten !でグルメ・イベント等の生活情報をチェック!
チラシ特集2017 4月
ユーザー名:
パスワード:
トップ | 無料会員FAQ | サイトマップ | リンク集 |
すべて 食べる
遊ぶ 買う
キレイ 暮らす
健康 医療・福祉
でかけてmiten
買ってミテン
働いてミテン
ミテンの本棚  >  体で感じる・心が育つ

体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.108 ものづくりにとって大切なこと
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 私は、あるレストランに予約の電話を入れました。馴染みのお店ですので、いつもどおり予約が出来るものと思っていたら、その日は満席でした。値段も手ごろで、お料理も素晴らしく、お店のスタッフもよく知っています。私にとって癒される時間を持てる大切な場所でもあったので、予約が取れなくてがっかりしました。そんなショックを抱えながら、別のお店をネットで探し、初めてのお店を予約していきました。
 値段は同じくらいなのに、お店の雰囲気、お料理、すべてが最初に予約をしようとしたお店とくらべものになりませんでした。シェフはとても感じの良い方で、ネットで探してわざわざ来てくれたことにとても感激していました。ですから、そのことだけが救いでした。
 私はお料理を食べながら考えました。このくらいの料理なら私にも作れる。このシェフは自分の作るお料理がどの程度なのか知っているのだろうか? 同じお金を出せば、私が最初に予約しようとしたお店でどれほどのお料理が食べられると思っているのか?
 自分の実力を知るために、世の中には実にたくさんのお店があるのだから、もっともっと他のお店を食べ歩いたほうがいいのではないか? そう思いました。だからといって、他の店のお料理を食べるばかりで、自分の腕をみがかなかったら進歩はないだろう。つまり、腕をみがくことと他の店の料理を知ること、その両方が必要なのではないか?
 でも、それだけだは何かが欠けている。では何が欠けているのか?
 それは、オリジナリティ。自分にしか作れないもの。荒削りでも、未熟でも、その店でしか食べられないもの。これならお金を出してもいいといえるもの。
 そう考えたとき、私は、わが身を振り返って、大いに反省をしました。童話の創作も同じことがいえるなあ、と。


 自分の実力を知ること。他の人が書いた作品をたくさん読むこと。このことは不可欠。こんなお話だったら私にも書ける、読者にそう思われるようなお話は絶対に本にはならない。でも、他の人の作品ばかり読んでいたら、なんだか自信を失くしてしまいそう。
 そして、それら二つを踏まえたうえで、テクニック、知識、経験、そんなものを超えた何か? 
 子どものためのお話を書くようになってから、もう、35年という月日が流れました。子どものためのお話を書くようになったきっかけは、コラムNo.101『コラム100回達成、10年目に突入』でも述べました。正確に数えてはいませんが、書いた作品の数はまちがいなく100を超えていると思います。
 かつて書いたお話は、家のそこかしこに眠っていますが、ときどき引っ張り出して読むことがあります。そして、そのたびに思うのです。ずいぶん昔にかいたはずなのに、今読んでも新鮮で、私らしいお話をかけているなあと。30年以上経った今読んでも、決して「なんだ、こんなつまらないお話を書いていたんだ」と思うような作品がないのです。それは、技術的に上手いか下手か、といったレベルで判断しているのではなく、感覚のレベルで判断しているからだと思います。むしろ、昔のほうが、新鮮な発想をしているように思えます。年を経て、経験が増えるにつれて、私の感覚が常識的になっているのではないかと思うのです。
 童話を書きはじめた頃に持っていた新鮮な感覚と発想。そして、それこそが、私にしか書けないもの。つまりは、私のよさが滲み出た、他の人が持っていない私だけの魅力なのだと思いました。ですから、今の私の創作上の課題は、「私にしか書けない童話を書く」ということです。 
『葛飾北斎伝』にこんなくだりがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ある日、露木氏(北斎の弟子)が阿栄(北斎の娘)に向かって嘆いていった。『筆が思うように運ばず、絵師になろうと思っているが、どうも無理かもしれない』。
 阿栄は笑っていった。『父は幼い頃から80幾つに至るまで、毎日、筆を執らなかったことはない。それなのに、先日、自ら腕組みし、『俺は実際、猫一匹も描けない』と涙を流し、絵が思うように描けないことを嘆いた。自分が及ばないと捨て鉢になるときは、まさにその道が上達するときなのよ』と。傍らにいた北斎は、『本当にそうだ。本当にそうなのだ』といった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「私にしか書けないものとは何か?」そうやって悩んでいるのは、きっと私が今、上達してステップアップしようとしているときなのだ、私はそう思っています。つまり、コラムNo.106『進化の速度とは?』でも書いた、まさに「私のプラトー」とまったく同じものといえます。
 昨年は、闇から闇に葬られて引き出しの中に眠っていた作品たちをリライトする、それによって、あらたに作品たちに光をあてることができた、そんな1年でした。今年は、「私にしか書けない作品を書く」という目標を立てて、物語を書いていきたいと思います。

 今、あるお話を書いていますが、そのお話の中に真っ白なふわふわの帽子が登場します。「真っ白なふわふわの帽子」と書いたものの、どんな帽子なのか自分でうまくイメージできませんでした。先日、デパートの中を歩いていると、帽子売り場の棚に、真っ白なふわふわの帽子が飾ってありました。意図的にそんな帽子を探して歩いていたわけではありません。本当に偶然の出合いでした。「ああ、神様ありがとう」私はその場でおもわずそういってしまいました。
 でも、最近そんな瞬間がたくさんあるのです。そして、それは決して偶然の出来事ではないということです。その真っ白な帽子は以前からそこにあった。でも、私は気にも留めなかった。しかし、自分の書いているお話にそんな帽子が登場したので、目に留まった、そういうことだと思うのです。いつも作品のことを考えていたら、それだけ作品のヒントになる「気づき」がたくさんあるのだと思います。チャンスもヒントもたくさん存在している。要は、それに気づくかどうかなのだと思います。
 20代の頃に思いついた発想に対して、いまだに共感できるということ、さらに、60才になっても書き続けられるということは、幸せこの上ないことだと思っています。そのことに感謝をしながら、私にしか書けない作品を書いていきたいと思っています。
2017-02-01 更新
2017 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10
2016 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 11 | 12
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 12
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12
2008 | 02 | 03 | 06 | 07 | 08 | 10 | 11 | 12
2007 | 12
著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)

***********************
※ブログのアドレス(※モバイルでは正しく表示されない場合がございます。 )
「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/
「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 
「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri
(1) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 » 
PopnupBlog 3.0 Denali-1225 created by Bluemoon inc.  
e87.com(株式会社千趣会イイハナ)
富士通パソコンFMVの直販サイト富士通 WEB MART