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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.162 みやざきの神楽(15)日南神楽
前田 博仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
宮崎県内各地の神楽
日南市の神楽
 日南市では2月初旬から5月下旬、市内30余ヶ所の鎮守社境内で神楽を奉納する。演目数は10番から15番、午前10時頃から午後4時頃まで「箕舞」「杵舞」など、宮崎辺りと同じ作神楽が演じられる。
 海岸に近い地域の神楽には「鵜戸舞」「魚釣り舞」と呼ばれる海幸彦山幸彦神話に関する演目があることが特徴、1月10日市内各漁協で豊漁を祈念して奉納される神楽を「漁神楽」「恵比寿」と呼び、このとき「鵜戸舞」は必ず舞われる演目となっている。
 日南神楽でも岩戸開に関する「柴荒神」「手力男」の演目があり、手力男が演舞の最後に幕を引き下ろすと鏡と宝珠を持つ天照が現れるという趣向となっている。 
 日南神楽の特徴に舞処の設えがある。舞処の周囲は縄を回らして結界とし、そこに笹を残した青竹を立て神名を書いた旗(長紙)を下げる。舞処入口(下座)には豊磐窓命と櫛磐窓命、正面上座には国常立命などを下げるが神社よって幾らか異なる。他に国狭槌命、豊斟渟命、埿土煮命、大戸道命、天八下命、天合命、振魂命、万魂命、天八百日命など十三神を下げる。

潮嶽神楽
 2月11日、市内の神楽では最も早く奉納される神楽の一つ。神事の後「福種下ろし」という作占が行われ、その年の作柄を宮司が告げて種籾を撒き、氏子は我が家の種籾に混ぜると豊作ということから競って拾う。
 この後4人の女児による御神子舞(みこまい)が奉納される。
 神楽は境内に設えられた舞処で12番程度が舞われるが、山幸彦が釣り針をなくすこと、豊玉姫が鵜戸の岩屋で鵜葺草葺不合命を産むことなど長い唱教を唱える「魚釣り舞」や霧島山高千穂峰の逆鋒由来を唱える「鋒舞」が重要演目となっている。

 日南神楽に薩摩神舞の痕跡
 高原町の神楽は薩摩系神楽を伝承し「神舞」という。日南市萩之嶺神楽神歌集に「神舞」とあり高齢の社人は神舞と言っていたこと、また高原の「神舞」と同じ演目「龍蔵」と「鋒舞」が日南の神楽に存在すること、鋒舞は霧島の逆鋒を意味する演目で「霧島」舞とも言い重要演目に位置付ける。「霧島の峯より奥の霧はれて 現れ出ずるその峯の神」の神歌は祓川神楽の「鋒舞」の神歌と同じであることなどである。
 日南市田之上八幡神社に大型人形弥五郎が伝わる。同様の人形が都城市山之口、鹿児島県曽於市岩川にもあり、これらの地区では三つの弥五郎人形を三兄弟と言っている。
 明治初期、宮崎県は各神社の「特殊神事」を調査、田之上八幡神社の弥五郎について「往昔大隅国に稲積弥五郎という者あり、彼地一宮正八幡の神体を負い来たり楠原に鎮座する。(田之上八幡神社は)天永元年(一一一〇)十月二十五日創建、永禄十一年(一五六八)前は島津氏飫肥を領した時も名社で祭典も大変鄭重であった」とある。

 日南市南部では神楽を奉納する春大祭の時、木製の牛を登場させイナド(稲人)二人が問答し豊作を祈念する。これを「牛祭り」といい萩之嶺神社、上方神社、大窪神社、脇本神社などに伝承する。神牛と二人の農民を登場させ面白い問答を展開する祭りが、都城市春日神社とえびの市香取神社、高原町狭野神社で行われる。春日神社は「ベブどん」といい、香取神社は「打ち植え祭り」、狭野神社は「ベブがハホ」という。「ベブ」は地元言葉で牛、「ハホ」は妊婦をいう。
 これらに共通するのは四輪の台に神牛をのせ、農民役が方言で面白可笑しく問答して観衆を笑わせ、最後に神職などが種籾を撒き豊作を祈念することである。
 神牛と農民を登場させる田遊びや弥五郎人形の伝承は、薩摩島津氏が飫肥を含む南九州を領有していた中世からの文化が、江戸時代飫肥藩となっても残り現在に続いたのではないかと考える。
2017-01-10 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
1942年宮崎市生まれ 宮崎大学学芸学部卒 県内小学校、宮崎県総合博物館、県文化課、県立図書館、宮崎市生目台西小学校校長等歴任、定年退職後きよたけ歴史館館長
現在、宮崎民俗学会副会長、清武町史執筆員、県伝統工芸審議会委員

【著書】
『鵜戸まいりの道』(私家版)
『歩く感じる江戸時代 飫肥街道』(鉱脈社)
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史 民俗編』
『北浦町史』
『日向市史』
『角川日本地名大辞典 宮崎県』(角川書店)
『郷土歴史大事典 宮崎県の地名』(平凡社)
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