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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.49 「積ん読のすすめ」
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 昨年、「断・捨・離」を敢行し、身の回りをすっきりさせたつもりですが、なかなか捨てられないものがあります。それは「本」です。身を切られる思いでかなりの数の本をリサイクルショップに持っていき、1万円近く換金してもらいましたが、それでも、我が家にはまだ3000冊くらいの本が存在しています。文字通り、私は本に囲まれて生活しています。私は活字中毒なので、つねに文字が書いてあるものがそばにないと落ち着きません。外出するときも必ず文字の書いてあるものを持ち歩きます。 
 また、寝室のあちらこちらにも本を置いています。いわゆる「積ん読:つんどく」です。その数は20冊ほどです。寝る前に本を読むことはしませんが(読むのに夢中になって、だんだん目が冴えてきて、眠れなくなってしまうからです)、朝起きて、1時間ほど本を読みます(5時過ぎに目が覚めるので、朝食の支度を始めるまでが読書の時間です)。そのとき、「積ん読」がおおいに役に立つのです。以前にも書きましたが、私たちが普段意識している世界はほんのわずかであり、ほとんどが無意識の世界に支配されています。自分が意識していなくても、脳のどこかで記憶していて、無意識のうちに何らかの行動に出ているのです。だから、朝起きたとき、無意識に手に取る本は、そのときの自分が一番必要としている内容の本を手に取るような気がします。そして、同じ本でも、何年か前に読んだときとくらべると、読んだ後の感じ方が大きく違っていることがあるのです。『原因と結果の法則』という本について以前にも書きましたが、初めて読んだときにはピンとこなかった内容が、何年か経って読んだとき、まるで、渇ききった砂漠の砂に水が浸み込むように、ぐんぐんと体の中に入ってきました。この読後感のギャップこそが、私が成長したという証なのかな、と思っています。

 私がなかなか本を処分できないのは、本はそんな経験をする可能性を持っているからです。そして、まさに、積ん読をすることによって、ただ積み重ねて置いてあるだけに思える本。そして、無意識にそれらの中から手にした本でも、そこには自分の想像を超えた大きな力が働いていて、置くべくしてそばに置き、取るべくして一冊の特別な本を手に取っているのです。そして、そこに書かれたことが、これから始まる一日、さらには、その後の自分の人生に大きな意味をもたらすことになるのです。
 今、『淡々と生きる』(風雲舎)という本を読んでいます。小林正観さんの書いた本です。正観さんの本はたくさん出版され、私も愛読者の一人ですが、この本は、正観さんの最後の本になりました。昨年の10月に亡くなられたからです。この本の中にこんなお話が書かれています。

「千利休は、甘みもなく、渋みもなく、苦みもない、かすかに色がついているだけのお茶を『淡味』と呼びました。お茶の道を極めていくと、その究極は出がらしです。出がらしのお茶のおいしさは『感謝』です。お茶の味がどうのこうのといっているうちはまだまだ。出がらしのお茶をいかに味わい、それをどう喜びとできるか、つまり、感謝できるか。そこで初めて本当のおもしろさがわかる。つまり、器がどうとか、茶葉がどうとか、作法がどうとか、おいしいとかまずいとかいっているうちはまだまだである。それは、どういうことかというと・・・」そうして、正観さんはこう結論づけます。
「人生に置きかえていえば、朝が来て、仕事をして、帰ってきて、夕食を食べて、テレビを見て、寝て、また、朝が来て・・・・、そういう日が繰り返されるなかに、人生のおもしろさや、幸せや、贅沢感がある。淡々と生きていく中にこそある。『どこそこに行ったからおもしろかった』『あそこに行ったからステキだった』などといっている限り、本当の人生はわからない。淡味がわからない限り、人生はわからないということです。『人生の本質は淡味にあり』です。『淡々と生きる』ことです」
 正観さんの本を読んでいると、今ある自分のありのままを「これでいいのだ」と肯定できるようになります。そして、今、自分がいかに幸せであるか、ということを実感し、自分をとりまくすべてのものに感謝をしたくなるのです。

 先日、Face Bookを開くと、「お友達リクエスト」とともに、こんなメッセージが届いていました。
「はじめまして。和田明日香と申します。原田くんにお母様のコラムを紹介していただき、毎晩、少しずつ拝読しています。今、1歳4ヶ月の娘がいます。原田くんをはじめ、同世代の友達が、仕事に遊びに毎日キラキラ輝いていて、一方、私は家事に子育て。やりたいことはなんだっけ?もし違う人生だったら?と考えてしまう日もあります。『目の前にある幸せを、幸せだと思えることが、何よりもの幸せだよ』。これは妊娠を報告したときに父がくれた言葉です。妊娠がわかったのは、ちょうど就職が決まって卒業を待つのみというタイミングでした。あれ以来ずっと、父の言葉の意図や意味を考えてきましたが、お母様のコラムを読むうちに、いろんなことが繋がって、やっと深く理解できたように思います。とても感謝しています。お伝えしたいことがたくさんありすぎて、長くなってしまい、すみません!最後に、原田くんはびっくりするぐらいとっても素敵な男の子です。あんな素敵な人に、こんなに大切に想われているお母様がうらやましいです。これからもお母様の文章、楽しみにしております!

 私はこのメッセージに対して、こんなお返事を書きました。
「息子からメールをもらって、久しぶりに Face Book を開きました。あなたからのお手紙を読みながら、涙が溢れて仕方がありませんでした。女性としてこの世に生を受け、そして、子どもを授かって母親となり、その子から愛されていることを人づてに褒めていただくことが、どれほどの幸せなことであるか、ということです。おそらくことのことは、女性として生まれたことの幸せの、最高のものといえるでしょう。子どもというものは、たくさんの幸せをもたらしてくれます。私もたくさんの幸せを経験しましたが、この世に生まれてきて最高の幸せは何か?とたずねられたら、『最高の男性と結婚して』『最高の息子を授かったこと』そう答えるでしょう。あなたのお手紙は私をとても幸せにしてくれました。」

 このコラムを書いていて、一番嬉しいのが、読んでくださった若いお母さんたちから、こんなふうに思ってもらえることです。先月のコラムで書いたように、「読んだらフッと癒される」だけでなく、子どもを持つことによってもたらされる幸せを実感してもらえたら、書いている私もこんな幸せなことはありません。そして、千利休のいうところの「淡味」。明日香さんのお父様も、それを理解できているからこその「娘へ贈る言葉」だったのでしょう。お父様から明日香さん、そして、私へとつながった、幸せの連鎖を実感させる出来事でした。
 さて、私の今年のテーマは「選択」です。そんな私にとって、とても意味のある言葉に出会ったので、ここに書いておきます。「仏教の最高の智慧とは、決断し、選び取ること」これは、空海がその著書「即身成仏儀」の中に書いている言葉です。「自分で決断し、選択する」という行為は、人生の進路において欠くべからざる行為です。生きていく中で、人は迷い、立ち止まり、試行錯誤を繰り返すのです。結果的に過ぎてきた道筋を振り返って後悔しないためには、「迷い」「立ち止まり」「試行錯誤を繰り返す」というその行為さえ、前向きな行為であり、必要なことだと受け入れることが大切だという気がします。

2012-03-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)

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