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技能士2016
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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.106 進化の速度とは?
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 もう、12月。2016年最後のコラムです。今年は、いろいろな意味で本当にたくさんの出来事がありました。私にとって、一番大きな出来事といえば、もちろん、児童文学の創作に関するものです。創作力を向上させるためにいくつかの新しい分野に挑戦し、何人もの素晴らしい先達の方々に教えを請う機会がありました。そのおかげで、今までの私の視点とはちがった見方で物を見て、考えることができ、創作にかなりのバリエーションが加わりました。
 また、今年は何度か上京し、「偶然の奇跡」と私が名付ける出来事も多々あって、たくさんの有意義な収穫を得ました。もっとも、「ものごとに偶然はない。すべて必然である」という言葉があるように、もしそれが必然の出来事であるならば、私を成長へと導いてくれる道筋を神様が創ってくださっているにちがいありません。
 その「偶然の奇跡」のひとつ、それは、「速水御舟」の『洛北修学院村』と名付けられた絵との出会いです。私は、速水御舟の絵が大好きで、中でもこの絵が特に好きでした。画集も持っていますが、まさか、こんなに早く実物に出会えるとは夢にも思ってはいませんでした(かつて、『聖徳太子末裔伝』を書くための取材で奈良を訪れたときも、この「偶然の奇跡」が起こりました。年にたった二回しか公開されない法隆寺夢殿の「救世観音」との出会いです。公開の期日を知らずに法隆寺を訪れてこの幸運に出くわし、その出会いが作品に大きな成果をもたらしました)。

 今回の速水御舟の『洛北修学院村』との出会いは、東京滞在中に山種美術館で「速水御舟の全貌」と題した展覧会を訪れたことから実現したのですが、この開催を知ったのは東京に着いて、美術展のスケジュールを調べた時でした。
 私の大好きな『洛北修学院村』を始めいくつもの好きな作品が年代別に展示され、御舟の進化の過程がよくわかりました。一番驚いたのは、進化の速度があまりにも速いということでした。40歳という若さで亡くなっているので、普通の人の二倍の速さで生き抜き、何倍もの速さで絵の技術を進化させたとしか思えない、素晴らしい絵ばかりでした。

「天才」といわれている御舟ですが、「天才」とひとことで片付けられない、何かを感じました。そして、私は考えたのです。「天才とは進化の速度が普通の人よりも速い」ということではないかと。どうして進化の速度が速いのかというと、それはひとえに努力の量が普通の人よりも何倍も多いということだと思うのです。「努力に勝る天才なし」つまり、この世に天才など存在しないのではないか、そして、天才と呼ばれる人々は、自分のいる位置に満足せず、常に努力を続ける人のことをいうのではないかと思うのです。

 速水御舟はこんなことをいっています。
「梯子の頂上に登る勇気は貴い、更にそこから降りて来て、再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い。大抵は一度登ればそれで安心してしまふ。そこで腰を据へてしまふ者が多い。登り得る勇気を持つ者よりも、更に降り得る勇気を持つ者は、真に強い力の把持者である。」
「作っては壊し、壊しては作る」という御舟。自分が目指すレベルに達しても決して満足することはなく、次から次へと新しいことに挑戦していく。「進化」とは「このままではだめだという思い」から始まり、「進化する」ということは、「既存の型にはまることがない」ということではないかと思うのです。
 御舟の筆致を年代ごとにくらべて見ていくと、その進化の過程がよくわかります。10代の始めにはもうその技術の素晴らしさが見て取れますが、それも、年を経るごとにさらに上へと進化していくのです。つまり、「進化の過程」が手に取るようにわかるのです。それは、御舟が淡々と一心不乱に筆を動かしていただけではなく、常に心の中では「このままではだめだ」そう思って、新しい何かを求めて描き続けていったということでしょう。私は、絵を見つめながら、ただただ「すごいなあ」そう思って溜め息をつくばかりでした。

 さて、話はかわりますが、私はこれまで、児童文学は「原田京子」の本名で、小説は「彩木瑠璃」のペンネームでと、別人になりきって書いていましたが、「みやざき文学賞」の小説部門で「一席」を受賞することで、新聞やテレビにペンネームで受賞の発表があり、「原田京子=彩木瑠璃」と、私の知人や友人以外の方々にも知れることなり、なんだか不思議な感覚でした。そんな私の進化の状態といえば、まさに「プラトー現象」を象徴しているといえるかもしれません。「プラトー現象」の「プラトー」とは「高原」のことで、「いくらやっても、その効果が見られない、一見するとスランプ状態のように見える現象」のことです。が、「スランプ状態」というのは「通常は既に高いレベルにある技能者が本来の力を出せなくなるとき」のことを指すのに対して、「プラトー現象」というのは、「これから力をつけようとしている成長過程にある人(特にビギナーを抜けつつあるレベル)に見られる現象」のことです。特に私の場合、プラトー状態が長く、「こんなに長くやっているのに、ちっとも進歩がない。もうだめかな」と思うと、ある日、すっとその状態を抜けることができる、という状態の繰り返しです。その状態を繰り返しながら、もう35年以上、作品を書き続けてきました。好きだからこそ続けてこられたといえますが、今回の受賞で、たくさんの方々からお祝いをしていただき、これらの応援してくださる人々の存在があるからこそ、現在の私があるのだと、あらためて感謝をしたことでした。

 また来年も、そして、この先ずっと書き続けていくつもりですので、これからもよろしくお願いいたします。
今年一年、このコラムを読んでくださいまして、ありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎え下さい、ね。

※今月は、今年最後ですので、縁起の良い写真達を集めてみました。
2016-12-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)

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「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/
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「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri
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