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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.109 リーダーシップは五歳で決まる?
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 『プレシデント』という雑誌に興味深い記事を見つけました。「リーダーシップが取れるかどうかは5歳で決まる」というタイトルの記事です。
 内容を簡単にまとめると、リーダーシップのような能力は、IQや学力で数値化できる「認知能力」と区別して「非認知能力」と呼ばれ、この非認知能力を高めるのはなるべく子どもの学齢が小さいうちが効果的だということでした。そして、非認知能力は学力などの認知能力を改善することはあるが、認知能力が非認知能力を改善するという証拠は今のところないそうです。つまり、リーダーシップを含む否認知能力を鍛えるなら、就学前が良いだろうということでした。
 経済学の分野でこの非認知能力が注目されているのは、否認知能力が直接賃金や生産性に影響を与えるからだそうです。つまり、リーダーシップがあるかないかが、賃金や生産性に影響を与えるというのです。この事実が明らかになることで、アメリカでは大学入試において必ずといっていいほど課外活動の経験を聞かれます。それらによって志願者がそれらの活動の中でどのようにリーダーシップを発揮してきたかを知りたいからです。トップスクールほど高校生までの間にリーダーシップをとった経験があるかどうかを重視する傾向にあります。
 最近の研究では、リーダーシップとは個人の生得的な能力ではなく、リーダーとして取るべき「行動」を身に付けられているかということに焦点が当たっていて、教育経済学では、就学期における経験がリーダーシップを育成するのかという観点で研究が行われています。リクルートワークス研究所の戸田氏らの研究では、中学・高校時代に運動系クラブ、生徒会に所属したことのある人の賃金が高まる効果がみられたことがわかりました。
 これらの事実を知って、親としての皆さんはどのようなことを考えるでしょうか?
 子育てを終えた身として、結果的にいえること、それは、親である私たちができることは、子どもを見つめ見守りながら、子どもが何を望み、何をしたいのか、何になりたいのか、じっくりと時間をかけて理解することだけだということです。そして、大人になるにつれて自分自身で自分の進むべき道を進んでいけるように、手助けしてやることだと思います。
 親が子どもの将来を見据えて、意図的にある方向へと誘導することはできません。なぜなら、子どもたちの秘めた可能性はひとりひとりちがっていて、その可能性がどのように花開いていくかは誰にもわからないからです。必ず子育ての過程で壁に何度もぶつかり、そのたびにどうすることが一番いいのかを悩み、考え、ひとつひとつクリアしていくしかありません。そして、それこそが一番大切なことだと思うのです。

 さて、先日、河瀬直美監督の映画『あん』を観ました。内容に関してはとてもひとことでは語れないので、それぞれみなさんでご覧いただくとして、私はこの映画によって、あるひとつの大切な事実に気づきました。いや、気づいたというよりも、これまでもわかっていたけれども今回あらためて認識した、といったほうがいいでしょう。それは、「映画とは、私たちがとても経験できない世界を疑似体験させてくれる媒体である」ということです。つまり、その映画を観なければ知り得なかった世界を知ることができる、そういうことです。だから、映画を観ると、私たちは感動をするのかもしれません。

 同じことは絵画にもいえます。版画家の吉田博はこんなことをいっています。
「画家は、自然と人間の間に立って、それを見ることができない人のために、自然の美を表してみせるのが天職である」
このことは吉田博の終生のテーマであったということです。吉田博の版画を見ていると、実際の自然を見たとき以上に素晴らしさを感じることさえあります。映画にしても版画にしても、作り手の感性や技術が加わることで、作品がさらに素晴らしいものになるからです。
そうやって考えると、私の作品作りにおいても同じようなことがいえるのではないかと思うのです。つまり、物語という媒体によって読者が普段知りえない世界を知る、という観点から考えると、私の書いた物語によって読者を誘うのは、この世に存在し得ないファンタジーの世界ではないかと思うのです。そして、二月のコラムでも書いた、私にしか書けない作品というのは、まさにそこにテーマがあるのではないかということです。
これまで書籍化された本を振り返ると、そこに存在するテーマにはある共通点が見られます。それは、「不当な扱いをされている者の側に立ち抗議をする」という点です。
 振り返ってみると、私が作品を書き始めるときは、何かに怒りや理不尽さを感じるといった、尋常ではない感情を経験することがきっかけだったような気がします。それは、私の中にある、「正義感」とか「共感する心」であり、「私を取り巻く世界の中のささやかな存在の価値の大きさに気づいたとき」がそのきっかけになるのです。「誰も気がついていないけれども、こんなに素晴らしい存在がある」ということを多くの人に知らせたい、そう思ったときに、作品を書き始めるような気がします。ですから、これからもそのような「気づき」を大切にしていきたいと思います。
 それでは最後に、映画「あん」において、私がとても印象に残っている言葉を書いて終わります。能力があるにもかかわらず、理不尽な理由によってその能力を生かす機会を奪われた主人公が、心が折れた青年に向かってつぶやいた言葉です。
「私たちは、この世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくても、私たちは、私たちには生きる意味があるのよ。」
2017-03-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)

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