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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.126 大きな星が、またひとつ……
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
 初めて久保輝巳先生にお会いしたのは、2015年1月、「みやざき文学賞」の表彰式でした。その前の年の8月、県立図書館に本を借りに行った折、「みやざき文学賞」作品募集のお知らせを掲示板で見つけました。作品提出の締め切りは8月末。そのときにはもう、8月は半分以上過ぎていましたから、作品を仕上げるまでに残された時間は2週間ほどしかありませんでした。
 たった2週間で規定枚数35枚以上から40枚という作品を新しく作り出すことは、私には到底無理だろうと考え、これまで書き溜めていた作品で未発表のものの中から、その枚数に該当する作品をひとつ選び出して応募することにしました。ただその作品も50枚以上でしたから、規定の枚数にするために原稿を削らなければなりません。その作業を終えた頃には8月も終わりになっていました。作品の出来に不本意ながらも、「みやざき文学賞」への初めての挑戦として、締め切りギリギリに作品を提出しました。
 結果は「佳作」。もっと時間に余裕があったら結果は違っていたのかな、とか、短い時間の中で、焦りながらバタバタと作品を仕上げたことを見透かされたのかな、とか、思いは複雑でした。

 そして、翌年の1月。みやざき文学賞の表彰式があり、私は、そこで初めて久保輝巳先生とお会いしたのでした。久保先生は、みやざき文学賞小説部門の審査員のおひとりで、表彰式後に作品部門別の講評会があり、入選した作品についてひとつひとつ感想を述べてくださいました。
 ひとりで黙々と作品を書き続けてきた私にとって、自分の書いた作品について、誰かに感想を述べていただくのはひさしぶりでした。しかも、褒めてくださいます。私は、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
 また先生に褒めてもらいたい、おそらくそんな気持ちが、私に「みやざき文学賞」への二回目の挑戦をさせることとなったのでしょう。その結果は「二席」。また、久保先生にお会いできる、そのことが一番の喜びでした。

 そして、さらに三回目の挑戦である、翌年の2016年は、ついに「小説部門の一席」。表彰式後の講評会で久保先生からいただいた「多くの作品が身近な日常生活の中からモチーフを見出して作品造りをしているのに対し、本作は見事に現実離れをして、独自の想念の世界を描いている。文章も平明ながら格調を保っている。応募作中特出した一作であった」という講評は、私にとって宝物となり、私の作品への誇り、その後の私の作品づくりへの勇気と自信を与えてくれました。
その次の年も作品が入選しましたが、表彰式に久保先生の姿はありませんでした。そして、今年、作品の募集要項の中の小説部門の審査員の項に、久保先生の名前はありません。もしや、と思った矢先の、久保先生の訃報。涙とは枯れないものだ、夫の母を亡くしたとき、私はそのことを思い知りましたが、先月、かこさとし先生についてのコラムを書きながら流した涙がまだ乾かぬうちに、この訃報を受け取ったのでした。

 思い起こせば、こうして久保先生を始め、これまで、お会いしてきたたくさんの素晴らしい先生方から直接いただいた言葉のおかげで、私の人生は豊かなものになりました。
 秋月龍先生は、児童文学を書いているという私に、「禅」と「ミヒャエル・エンデの作品」とを結びつける貴重なヒントをくださいました。今西祐行先生とは、お茶をごいっしょしながら、先生の作品や、児童文学について貴重なお話をうかがいました。三輪亮明先生は、作品を書くたびにほめてくださり、作品を書き続けるための励ましと勇気をいただきました。かこさとし先生からは、その永遠の少年のようなまなざしから、好奇心を持つことの大切さ、作品と向き合う真摯な生き方、そして、「こどもさんをあなどるな」という遺言をいただきました。

 また、こうして、コラムを書くという機会を与えていただいたこと、このコラムを始め、私の作品を読んで励ましをくださる人々。40年前、ひっそりと子どものためのお話を書きはじめた私に、今、こうして「児童文学作家」と名乗れる勇気と自信を与えてくださったたくさんの人々のおかげで、私は書き続けることができたのだと思っています。神さまは私の行く先々に、私が必要とする人々を、必要とする言葉をくださる人々を、ちゃんと用意してくださっていたのでした。
 だからこそ、私は思いなおしたのです。「星は、消えたのではなく、今こそ、まさに星になったのだ」と。私にたくさんのことを教えてくださった先生方の姿はこの世から消えてしまったけれど、今度は星になって光り続けるのだと。なぜなら、今、私たちが見上げている空の星の光は、実ははるか昔に放たれた星の光であり、もう、何億光年も昔に光を放ち、すでにこの世からは消えてしまった星の光が気の遠くなるような年月を超えて、たった今届いたばかりの光だからです。
 素晴らしい先生方との出会いによって私が得たものは、私が心の中に持ち続ける限り消えることはありません。これらのひとつひとつの教えをきちんと実行していくことが、これからの私の作品をより素晴らしいものにしてくれるでしょう。

 久保輝巳先生、ありがとうございました。
 でも、もう一度だけ、その優しい笑顔に会いたかったです。
2018-08-01 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)

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