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体で感じる・心が育つ
こどもに関するコラム集!専門家がコラム・情報を掲載しています。
 
No.110 究極の選択
原 田 京 子 ( 児童文学作家 )
「天空の“宗教都市”〜チベット仏教・紅の信仰の世界〜」という番組を見ました。
 中国・四川省の奥深く、標高4千メートルの山肌に現れる1万もの紅の修行小屋。中国最大規模の仏教僧院、“紅の宗教都市”ラルンガルゴンパです。中央にある僧院を取り囲むようにして建てられた小屋には、修行僧たちが自炊しながら生活をしています。幼い僧は、10代の始めごろから家を出てこの僧院での修行を始めます。毎日が祈りで占められる暮らし。持ち物は生活に最小限必要なものだけ。ひたすら人々の幸福を願い、いかにすれば解脱(煩悩による繋縛から解き放たれて、全ての執着を離れることで、苦しみの輪廻の世界から悟りの涅槃の世界へと脱出すること)し、仏に近づけるかを考えて祈り、生きる日々です。
 折りしも、日本には、サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドルアジス国王が46年ぶりに来日し、1000人を超える王族や企業幹部らの同行、ホテルやハイヤーの予約など、その豪華絢爛ぶりに、日本中が驚いていました。
 この二つの対極ともいえる民族性?を目の当たりにしながら、私はふとこんなことを考えました(あくまでも想像の世界のことです)。
「もし、この2つの対極の世界のどちらかに生きなければならないとするならば、どちらの世界で生きることを選ぶだろうか?」ということです。
 サウジアラビアの石油王として生きる道を選べば、お金を好きなだけ使え、欲しいものは何でも手に入り、行きたい時に行きたい所へ行くことができます。かたや、チベットの修行僧は物質に一切の執着を捨てた生き方。ひたすら苦行に耐え、質素に暮らし、悟りを目指す生き方。「富」と「悟り」どちらを選ぶかという究極の選択です。
 どちらが人間として穏やかで満足のできる生活ができるだろうか? そう考えたとき、私は、すぐに答えを出すことができました。私の答えは……。
「物」で満たされた生活には必ず限界が来ます。つまり物質世界は有限であるということです。しかし、精神世界は無限です。もし、死ぬまで安らかで幸せに暮らしたいと思ったならば、精神的に満たされることが大切です。そう考えたとき、自分という人間が、全ての執着から解き放たれて悟りを得ることができたら、どれほど豊かで幸せな人生を送ることができるだろうと思いました。
 私という人間が存在するだけで、周りにいる人間が笑顔になれる、幸せだと感じる、そんな人間になれたらどんなにいいだろう、そう思います。
 あなたなら、どちらの世界で生きることを選択するでしょうか?

 さて、ありえない想像の世界の選択に悩むのはこれくらいにしましょう。
 私は、以前のコラムにも書いたように、「私にしか書けない物語」を書くためにあれこれと悩み、そのために、いろいろな本を読んでいます。そして、30年以上前、初めて童話を書きはじめた頃に読んだ本のことを思い出し、図書館で探しましたが、見つけられませんでした。しかし、インターネットで検索し、現在は絶版になっているけれども、「古書」として見つけ出し、手に入れることができました。そして、童話を書きはじめた頃のことをなつかしく思い出しました。
 20代半ばで教師をやめ、児童文学を書き始めました。といっても、体を壊しての退職でしたから、今思い起こすと、精神的にはどん底の日々です。子どもたちに囲まれた楽しい生活が一転して、1日の大半をたったひとり、病で気だるい体を持て余しながら生活するという毎日。おそらく、私の人生で一番辛かった時期だと思います。
 そんな生活の中で見い出した「書く」ことの喜び。今思えば、この時期がなかったら、私はこうして今、書き続けてはいなかったと思います。まさに「ピンチはチャンス」です。

 尋常ではない経験をして初めて、見えてくるものがある。おそらくこのことは、レベルこそ違えど、チベットの僧たちが「悟り」を得るために、自分の身を過酷な環境下へおき、尋常ではない精神世界の中で、普通の生活をしていては決して得られないなにかを求めて修行しているのと同じなのではないかと思うのです。

 現在の私は持病が二つ再発し、その病と共存しています。この二つの病は、精神的、肉体的に自分を追い込んだときに出現する病で、命にはかかわりません。ですから、いわゆる、「無理をするなよ」という自分への警告だと思っています。人間の体というのはすごいなあ、この持病が再発するたびにいつもそう思います。傍から見たら、まったく健康な人と見分けがつかないので、おそらく私を見た人は誰も気づかないでしょう。
 このことは、私にさらなる気づきを与えてくれます。つまり、人は外見から見ただけでは決してその人を理解することはできないということです。この気づきは、私にさらなる想像力を働かせ、それを物語の発想へと導いてくれます。だから、この二つの持病と私は共存できるのです。

 話は変わります。私のペンネームについてです。「彩」はいろどり。「木」は、花や樹木などの自然。「瑠璃」はラピスラズリ、深いブルーをした宝石。すべて私の好きなものですが、「さいき」は「Psyche」、ギリシャ神話に登場する人間の娘の名前で、古代ギリシャ語で「心・魂」を意味します。英語読みで「さいき」と表記されます。大学と大学院で心理学を専攻していたことに由来します。この「さいき」にあてる漢字をたくさんの中から探し出し、「彩木」としたのですが、最近書いている作品を見ると、「色」に関する内容が多いことに気づきました。みやざき文学賞の小説部門で一席を受賞した『ソラリアンブルー絵の具工房』もそうです。このペンネームにしてからそうなったのか、それとももともと色に関心があったからこのペンネームになったのか、自分でもさだかではありません。でも、われながらいい名前だなあと思うようになりました。おそらくは、本人ですら気づいていない、なにか心の深い奥底にその由来があるような気がします。神のみぞ知る、です。

 ちなみに、このペンネームを使い始めて10年以上になりますが、私が「彩木瑠璃」であることを夫が知ったのはつい最近のことです。「第19回みやざき文学賞」の発表が昨年の10月にテレビであり、私の顔写真とペンネームが画面に映し出された時でした。私は、児童文学は本名、小説はペンネームを使うようにしていますが、私がペンネームで小説を書いていることを、夫は知らないようでした。もっとも、私の創作に関して、夫は一切口を出すことはありませんし、私の作品を読んだこともありません。そのことはかえって、私に自由な創作を可能にしてくれているようです。それに、なんといっても私がこうして書き続けていられることは、夫が理解し、応援してくれていることにほかなりませんから、夫には心から感謝をしています。

 あ、最後に、これは余談ですが、さっきの究極の選択、私の答えは、「富をもちつつ、禁欲的に生きたい」というのが本当のところです。

※今月の写真たちは、私のペンネームにちなんで、瑠璃色のものを集めてみました。
2017-03-31 更新
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著者プロフィール
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)

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※ブログのアドレス(※モバイルでは正しく表示されない場合がございます。 )
「彩木瑠璃の癒しの庭」 http://ameblo.jp/akylulu/
「彩木瑠璃の心の筋トレ」 http://blog.livedoor.jp/saikiruri/ 
「巴里アパルトマン生活を夢見て」 http://blog.goo.ne.jp/saikiruri
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