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宮崎、歴史こぼれ話
科学技術の発展を別にすれば、武士や庶民の生き方考え方などは現代と同じ。民俗的視点から学校の歴史学習では習わない当時の人々の生活を紹介します。
 
No.114 城ヶ崎に滞在した高山彦九郎
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 高山彦九郎は江戸中期の勤王家、尊王論を唱え諸国を遊歴した。幕末、彼の思想は勤王志士たちに大きな影響を与え明治維新へ導いた。

 寛政4年(1792)高山彦九郎は城ケ崎を訪れている。6月16日中村から城ケ崎へ入り、南村六郎兵衛の家に泊まる。六郎兵衛は重之ともいい南村梅雨の兄に当たる。
「十七日(略)、日中頃より打立て中村へ入りける、市日也。三七を以テ市日とす(略)、中村を西へ出で左リ鼻切山を見、右へ転じ左に祇園生田の社を見て今江の町へ入る、家七十斗(ばかり)、是レヨリ東一里海辺福嶋といふ所有り、百余年斗(前の)大地震に埋められ迯けて来たり住む、因て福嶋共称す(略)
 生目八幡神社に参る(略)、石階を登りて生目八幡宮卯辰の間に向ふ、景清が両眼を祀ると云ふ、中村より戌の方一里拝殿に休ふて中村へ帰へりて宇都宮氏の宅に入て宿す、今夜城ケ崎町燈を家毎に揚ぐ、町ヨリ五丁斗(約550m)福長院寺中観音祀り前夜也とて賑ふ
 予も宇都宮氏南村氏と見る、宇都宮氏へ帰て深更迄語る。南村氏祖先は土佐国南村梅軒なるが、世々梅を以テ号とす。七代の祖梅雪といひけるとそ始メが泉州(大阪府)より来ると伝ふ、予に糺さむ事を乞ふ、深更に至る迄南村六郎兵衛、太田常助俳名可笛、高木長左衛門、南村円蔵と語る(略)
 十八日、南村六郎兵衛、同円蔵、太田可笛皆礼服、焼酎を酌ミぬ、日高長右衛門俳名五明も礼服を着て来る(略)」

 この後、祇園社(八坂神社)辺りから舟で上野町へ向かった。この後、花ヶ島から都於郡、高岡を遊歴し、再び城ケ崎に来ている。
「三十晦日、南村六郎兵衛来る、宇都宮氏太田可笛と常久(恒久)村河南一宮大明神(恒久神社)へ参詣す(略)、一宮大明神は木花開耶姫神を祀る(略)、今日夏越祓を行ふ、神輿出ツ、社家騎馬にて従ふ二十五騎僧、伊東家の代参三人乗馬す、赤江町を経て津和田のこなたより左リ田間へ入る、田本村を経て松林十丁斗りにして海浜に神輿を居へ神楽有り、予も海に入てミそぎす(略)」
(『高山彦九郎全集第四巻』)

 これだけの短い文章なのに興味あることを多く含んでいる。まず今江についての記述では戸数七〇戸ほど、(彦九郎が城ケ崎に来た寛政4年から)百余年ばかり前の大地震で今江から東4km程の所にあった福嶋から逃げてきて移り住んだ。福嶋とも言うこと。この出来事は寛文2年(1662)に起きた日向国最大の外所大地震で、大淀川川口右岸にあった福嶋は揺れと津波で壊滅、人々は天神山の北麓今江に移住した。現在の宮崎市福島町。

 生目神社は景清の両眼を祀る。平家の武将平景清は源氏が栄える世を見たくないと自分の両眼をえぐって投げ、その眼は生目神社の所まで飛んできて、まだ生きていたという言い伝えがある。景清は能や浄瑠璃、歌舞伎などで演じられ、彦九郎もそれを知っていて参拝したのだろう。

 宇都宮氏宅に戻り深夜まで語る。南村六郎兵衛が語るには、自分の祖先は土佐国南村梅軒、それで代々俳号に梅をつけ、七代前の祖を梅雪と言うが泉州(大阪府)から城ケ崎に来たといい、予(彦九郎)に確かめてもらう事を頼んだ。

 彦九郎が来た頃の城ケ崎商人たちには俳諧文化が流行、太田可笛(41歳)や小村五明(44歳)、南村梅雨(31歳)ら秀でた俳人を輩出し、2期目の興隆を迎えつつある時期であった。彦九郎のような知識文化が豊かで諸国の事情に詳しい文化人と間近に交流することは、城ケ崎在住の商人たちにとって新しい知識を吸収する願ってもない機会であった。

※城ケ崎俳壇:江戸中期以降に俳諧中興期から文化・文政期(1804−29)にかけて、大淀川河口右岸の城ケ崎(宮崎市)に成立発展した町民俳諧。元文3年(1738)に行脚俳人安楽坊春波が来遊、日高西雪、菊路らを指導して『俳諧秘伝書』を授ける。のち芭蕉復帰運動に力を注いだ京都の五升庵蝶夢の門に入り、さらに柏原瓦全の指導を受け、太田可笛・小村五明・南村梅雨などの逸材を生んだ。芭蕉門の流れをくんだ俳諧が城ケ崎に伝わった。
 
資料:高山彦九郎『高山彦九郎全集第四巻』
2019-05-28 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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