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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.177 宮崎県美郷町の渡川神楽
前 田 博 仁 ( )
 渡川(どがわ)神楽は毎年11月第2土・日曜の渡川神社大祭に奉納される。平成29年11月11日同神楽調査を実施した。
午前10時、神社から500m程離れた社務所で、町代表や地区役員、臼太鼓踊り関係者、神楽保存会会員などが参加し祭典式が行われ、12時からは祭典式に参加した人々の座付いわゆる直会があった。14時、役員を先頭に臼太鼓踊り手、神楽舞手が神社に向か、神社本殿で神事、境内では舞手20人程が臼太鼓踊りが披露された。
 神楽は境内一角にある神楽殿で奉納された。神楽殿は1m程の床高、観客は境内に並べられた椅子に腰かけてみる。舞処は20畳程の広さで正面に神棚を設けられていた。
18時〜19時、地区民による演芸会があり大いに盛り上がった。

<演目>
1番 御神屋清め 舞なし
注連縄を張り鏡を納める。宮司が神事を執り行う。
2番 地割 4人舞
太刀を持つ。初め2人舞、終わって4人舞となる。
刀を立て鈴を振り舞う。
4人中央に集まり、2人抜身、2人鞘を斜め下に差出し神歌を歌う。
「天の高さは…」
3番 式三番(ひきさんばん) 2人舞
前半は厳かに舞い、後段は動き速く。
この式三番は重要な舞に位置付けられ小祭や新築祝いなどのとき舞う。
4番 へやいり 4人舞
初め閉扇、鈴で舞い、後半開扇、鈴で舞う。
5番 山森上 2人舞
白米を入れた膳を持つ。
途中から青と黄の布を持ち舞いそれをタスキにし、両手で膳を持ち舞う。白米を四方に撒き最後に白米全部を撒いて終わる。素襖にタッツケ袴、素襖にタスキを掛けるのは他の神楽では見ない。
6番 一人神崇(かんぞ) 1人舞
かんぞは県内の神楽でカンスイ、神祟、神師、神帥などというが舞は若干異なる。
初め刀2本と鈴で舞い、次に両手に抜き身刀の中央を持ち、珍しい刀の動きをみせる。
鉢巻は額で結ぶ。刀先端部を2本合わせて持ち大きく回す。
両手で2本を水平に持ち後転する。
7番 四人(よったり)神崇 4人舞
先ず一人がタスキをして登場。
刀と鈴を持って舞い、次に布で舞いタスキにする。刀の刃を持ち回し、さらに両手で持ち後転する。鈴と刀を持ち舞い納める。一人神崇と同じ。四方を踏む。
8番 大神(だいじん) 2人舞
舞は式三番に同じ。腰の幣2本を差す。閉扇を横にし鈴で舞う。余りに軽快な舞、他に見る大神とは趣を異にする。一通り舞って御神屋隅に控える。
9番 白面鬼神 1人舞
腰に四手を付けた榊1本さす。鬼神の落ち着きない舞、時にはねる。県内鬼神舞とは芸態を異にする。鬼神の舞に合わせて大神の2人が出て鬼神の舞を舞う。鬼神退場後、再び大神二人が登場し舞い納める。
10番 山森上 2人舞
初め鈴と矢2本を持ち舞い、その後両手に1本ずつ持ち舞う。弓と矢、弓だけを採物を替えて舞う。狩猟の舞。舞衣が具足に似る。
11番 稲荷 2人舞
幣2本をXにして腰に差す。舞い終って御神屋隅に控える。途中赤面鬼神が舞い込む。幣を持って舞う。
12番 鬼神 1人舞
稲荷舞に赤面鬼神が舞い込む。舞は白面鬼神と同じ。鬼神が舞い終って稲荷の二人が舞い納める。
13番 メゴ舞 1人舞
メゴは竹籠、県内ではショケとかメゴという。鈴とメゴに小ニギリ飯を5、6個入れて舞う。子ども達はそれを欲しがる。
※高鍋神楽に磐石、別名メゴの舞(メゴンメ)が、清武船引き神楽にメゴがあるが、芸態は異なる。
14番 シシ舞 1人舞
シシがメゴ舞に舞込む。猟師(猪獲り爺)が出てシシを弓矢で仕留める。獅子舞にカラッポンポンという滑稽面をつけた舞手数人が柴を手に登場、御神屋の縁に群がる子ども達にちょっかいを出す。猟師は頻りに猪を銃で狙う。

 神楽は真夜中1時近くで終わり、以下の演目は翌12日に演じられた。
「柴すぐり」「鼻かざみ」「たちから」の3番は、連結舞で天照大神を岩戸から導き出す演目、高千穂神楽などでは「柴引」「手力」「舞開」に相当する岩戸開関連の演目である。
 祭りは土・日と2日に亘って開催されるが、できるだけ多くの集落民や集落所縁の人々の参加を期待しての祭り運営と思われる。

 渡川に隣接する米良地方、西米良村と旧東米良村(西都市・木城町に合併)は、江戸末まで米良(菊池)氏が治め、東西米良一帯を「米良山」といった。米良山は鷹巣山で幕府領、管理は米良氏に任せていたことから、米良氏は旗本交代寄合家として5年ごとに江戸参勤をした。その参勤のとき渡川を通ったことから人的・物的交流が行われ、米良神楽が渡川神楽に影響を与えたと思われる。

 第8番「大神」舞に白面の鬼神が舞い込み、第9番鬼神舞が行われる。このとき大神の舞手は舞処すみ控え、鬼神舞が終わると大神の二人が再び登場し舞納めるという連結した演目である。
 銀鏡神楽では「西之宮大明神」前の「幣指」、「宿神三宝荒神」前の「住吉」、「六社稲荷」の前の「初三舞(はさんまい)」を「地舞」といい、それぞれの着面舞が終わるまで舞手は舞処隅に控え、着面舞が終わると再び出て舞い納める。「地舞」は重要な演目とされる着面舞に対しての露払い、浄めの役割と位置づけられている。銀鏡神楽に限らず尾八重や中之又の神楽にも地舞は伝承する。
 渡川神楽では8番の大神や11番の稲荷を「地舞」と言わないが、銀鏡など米良神楽の影響と思われる。また、平地神楽では、舞手は頭に毛笠とか毛頭を被るが、米良神楽では切紙で作った笠を被る。渡川神楽でも似たような笠を被るが、これも影響しているのかもしれない。

※平成29年7月6日、銀鏡神楽伝承者甲斐 優氏と渡川神楽の聞き取り調査を行なった。話者は松田吉十郎と松田隆男両氏、調査のなかで甲斐氏は「大神」と「稲荷」が銀鏡神楽でいう「地舞」と同じであることを指摘された。
2018-04-10 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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