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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.191 諸塚村吉野宮神社の座頭神祭
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会会長 )
 諸塚村の中心地から林道を北へ向かい稜線を登り切った所に吉野宮神社が鎮座、この神社は盲人の秘話を伝える。
「座頭神さん 琵琶を持った盲僧が祭神である吉野宮神社は、東臼杵北郷村(美郷町)境に近い諸塚村南川にある。南北朝の頃、大和国吉野の盲僧がひとりの従者を連れて延岡に来た時、にわか雨にあい濡れた衣や旅用の大金を河原で干していた。それを見た村の商人のひとりが欲心を起こし、人里離れたこの山中で追いつき座頭(盲人)と後から来た供の従者を殺して金を奪ったところ、その時座頭が投げた琵琶が木の枝にかかり七日七夜哀音を奏でたという。その後、商人の子孫には代々盲目などの不具者が多く生まれるので、盲僧の怨霊の祟りと畏れて祀り、供養したのが吉野宮神社である。一般には「座頭神(ざつがみ)さん」と呼ばれ(略)、盲僧は吉野(奈良県)から肥後(熊本県)の勤皇家菊池氏に派遣された密使であったことから、神社名を吉野宮というと伝えている。」(『日向の伝説』)

 弘化2年(1845)豊後(大分県)の本草学者賀来飛霞(かくひか)は延岡藩の依頼で薬草調査に来ている。3月27日宇納間から調査を行い吉野宮神社に来る。そこで神社の謂れを聞き、次のように書き留めている。
「座頭神ト云アリ、人家遠ク隔リ寂莫タル処ニシテ宇納間家代ノ堺ニテ(略)、座頭神ノ祠ハ茅茸ニ〆内ニ盲僧琵琶ヲ弾スルノ像ヲ安ス、上ニ白板ヲ扁シ墨ニテ吉野宮大明神ト題ス(略)、明日ハ其祭祀ナリトテ今日ハ遠方ノ村々ヨリ来リ、林間ニ売物ノ小屋ナト数々構へ居タリ(略)、相伝フ、此神本ト座頭ニテ多ク黄金ヲ齎シ、上洛シ位ヲ買ント欲ス、此地ニ休ヒシニ悪漢数輩之ヲ殺シテ其金ヲ奪フ、座頭死ニ臨テ曰、其金ハ予ガ精神ノ凝ルトコロ也(略)、イツカ恨ニテ必ス子孫ニ祟りヲナサン、其金ヲ奪ヒ分チ取ルモノノ後皆富ヲ致ス、今ノ延岡ノ市中富豪藤屋何某其最魁タルモノニテ(略)、其子孫嫡子育セス、或ハ育スルモ盲トナルト云、毎歳ノ祭祀ニ藤屋ト号スルモノ二軒ヨリ各銀十六銭ヲ奉納スト云(後略)」(『高千穂採薬記』)

 平成31年3月28日、吉野宮神社の座頭神祭、境内は多くの参詣者であふれ、賀来飛霞の日記にあるように村人による出店も多数あり賑わった。神事の後、諸塚村南川神楽による神楽3演目や子ども神楽などの奉納があった。メインは琵琶奏者北原香菜子氏の「吉野宮ものがたり」(北原氏作詞・作曲)の演奏、哀調を帯びた琵琶の「音(ね)と語り」は聴衆の心に深く沁みた。
 境内に「明音見行盲等(妙音検校盲塔) 享保十九甲寅年一月廿八日 弐百五十年相当」と刻字された石塔がある。享保19年(1737)から250年前は文明16年(1484)に当たり室町時代、この年が盲目の琵琶法師の命日と伝え、現在は新暦3月28日に霊を祀る。

※座頭 琵琶法師の別称。南北朝時代成立の平曲を語る琵琶法師の座である当道座に検校・別当・勾当・座頭の4階級があった。民間では盲僧と座頭を区別していない。(『日本民俗大辞典』)

参考資料:賀来飛霞『高千穂採薬記』 瀬戸山計佐儀編集『日向の伝説』『みやざきの神話と伝承101』宮崎県
2019-06-11 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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