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みやざき風土記
県総合博物館・県文化課・県立図書館で民俗や文化財、郷土史料等専門的業務に長年従事した専門家が、風土や風俗、伝統芸能、地域史など宮崎の文化を分かりやすく紹介します。
 
No.181 狭野神社の棒踊り
前 田 博 仁 ( 宮崎民俗学会副会長 )
 都城市や三股町、高原町など薩摩藩だった地域に伝承する棒踊りは、霧島六所権現の「御田植祭」と深く関係し「田踊」とも呼ばれる。春から初夏にかけて地面を棒で突きながら田歌を歌って踊る。「おせろは山で、前は大川…」などの棒踊り歌を田に聞かせると稲がよく育つという。
 狭野棒踊は毎年5月16日、高原町狭野神社の御田植祭に奉納される。御田植神事に参加する氏子数十人が9時半頃から神社拝殿に参集、10時から神職による招神、祝詞奏上などが行われ、拝殿前では参列者による玉串奉奠などが行われる。本来なら神田で早乙女による田植えが行われるはずが現在は行われてない(理由不明)。
 
 神事が終わると境内で棒踊と奴踊が奉納される。踊り手は薄青色の浴衣を赤帯で締め、下衣は白の股引を黒の脚絆で絞り、黒足袋に草鞋を履く。顔は目の部分だけを開けた白布を被り、豆絞り手拭で鉢巻をする。手には黒の手甲を着ける。赤と青の長い布をタスキとし背で結び端を膝後あたりまで垂らす。


 歌い手(3人)は四手を下げた笠を被り、狭野郷土芸能保存会と文字のある赤の法被を羽織る。踊りはデハ(入場)で始まる。境内隅からの足踏みに合わせ六尺棒で地面を突きながら入場する。8人が2列縦隊となり右側の踊り手は長刀と六尺棒、左は鎌(鎖鎌)と三尺棒(小太刀)を持ち、「今こそ参る 神のみまえに」の歌に合わせて入場する。所定の位置に進むと歩みを止め、三尺棒と六尺棒を列の外に置く。先ず、鎌と長刀の組み合わせ。これをカマンテ(鎌の手)という。


上段で互いに打ち、鎌が六尺を低い位置で押さえる。さらに左右位置を替わり打ち合い、最後は長刀を鎌が上段で押さえ終わる。次に六尺棒と三尺棒(小太刀)の打ち合い。これをイズリンという。左右で打ち次に前後で打つ。位置を替わって打つ、腰を落とし屈む体形て打つなど多彩。六尺と三尺の組み合せは三尺(小太刀)が打ち込み六尺が受けるという形で勇壮感に溢れる。
神社での御田植祭奉納を終えると、地区の水田が広がる一帯に出向き、豊作を祈る田ノ神像の前で棒踊りを披露、歌を稲に聞かせ豊作を願う。
 両脇から打ち込む六尺棒を尺八と小太刀で受ける都城市吉之元の虚無僧踊りなども、棒踊りの範疇に含めると県内には64ヶ所に伝承する。踊りの形態は左右と後方と組み合わせる4人組と串間市大平棒踊りのように前列3人と後列3人が打ち合う6人組がある。
 薩摩藩だった地域の棒踊りでは島津義弘の朝鮮半島出兵を由来とし、棒や小太刀の打ち込み、受けなどは薩摩剣法示現流が基本となっているという。また、踊りの歌詞「おせろが山で、前はだいかわ…、(後は山で、前は大川…と都城辺りでは歌う)」は県内棒踊りで歌われ、「サーサーサーサッ」で踊り始め「ヒョー」などの囃子を入れる所も似ているところが多く、棒踊りは薩摩系の芸能と思われてる。

狭野棒踊の歌
デハ(入場)  今こそ参る 神のみまえに
モトアゲ   神のお庭のなんてんじくよ(昭和38年頃まで唄っていたが現在は唄わない)
ホンウタ   おせろが山で前はだいかわ
       ひとえだ折ればやえだ栄える
       霧島松は黄金花さす
       山太郎ガネは川の瀬に住む
       焼け野のきじは山の背に住む

アガリ(退場) あがいとの風はそよほけの花

 踊りはカマンテとイズリンの2種類、左右前後の4人の組み合わせで踊る。イズリンは伊集院(伊集院から伝承か)が訛ってものと地元では言っている。
 頭部を覆う「おこそ頭巾」や衣装は霧島修験の影響を受けていると思われる。

◆参考資料
『高原町文化財調査報告書第七集 高原町祓川・狭野の神舞(神事)』高原町教育委員会
『ふるさと再発見、みやざきのうたと芸能』宮崎県
鳥集忠男・片山謙二『都城の民俗芸能』都城市教育委員会
2018-08-14 更新
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著者プロフィール
前田 博仁(まえだ ひろひと)
昭和40年宮崎大卒。県内小学校、県総合博物館、県文化課、県立図書館を歴任、平成15年宮崎市立生目台西小学校校長定年退職。現在、宮崎民俗学会副会長、宮崎県立博物館協議会会長、
(県)みやざきの神楽魅力発信委員会副委員長、(県)伝統工芸品専門委員、
(県)神楽保存・継承実行委員、「米良山の神楽」記録作成調査委員

【著書】
『近世日向の仏師たち』(鉱脈社)
『薩摩かくれ念仏と日向』(鉱脈社)
『近世日向の修験道』 (鉱脈社)、他

【共著】
『宮崎県史 民俗編』
『日之影町史』
『北浦町史』
『日向市史』
『みやざきの神楽ガイド』
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